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幸運の磁極反転

今週も北日本を中心にモーレツな寒気に襲われ、各地で大雪の被害が報告されています。 この様な寒気団の動きは「北極振動」に関係しているという分析も報告されているのですが、そのメカニズムについても未解明な部分が多いのです。

実は、今年は日本だけで無く北半球の様々な地域をモーレツな寒さが襲っているのです。 南半球の国でも季節外れの寒さが報告されるという例さえあるのです。(「1月なのに冬?」)

「この様な世界的な異常気候はラ・ニーニャが引き起こしている」という主張もある様ですが、その因果関係についても十分には解明されていないのです。 世界各地で気候の異常が観測されているという事は、地球規模若しくは天体規模での何らかの変化が進行しているかもしれないと思うのですね。

という訳で、2009年に放送されたプログラムではありますが、National Geographic Channel のビデオを確認しておくのです。



Magnetic Reversal of Fortune
幸運の磁極反転




45億年前に形成されてから、地球の磁場は何千回も反転してきた。

科学者達は今、次の反転が差し迫っていると信じている。

それが何処で起きるのかを正確に予測する競争は始まっている。

2010年に欧州宇宙局はSWARMを打ち上げるのだが、そのミッションは地球の磁場の詳細な最新の地図を作成する事と、その将来の活動を予測する事である。

デンマーク国立宇宙センターのニールズ・オルセン教授は。このミッションに携わっている。

「このXXXの裏にある新しくて興奮するようなアイデアは3つの衛星です。 私達は高度530kmに位置する高高度衛星を持っており、高度430kmに位置する2基の衛星を持っているのです。」

これらの全く同じ衛星達には新世代の磁気検出装置が装備されている。

これらは磁極が反転する位置を特定したり、磁場の強さの多様性を検出するであろう。

「これはスゴイ事だと思います。 数百キロメートルの地点を飛ぶ衛星を使って磁場に関するミッションを遂行できるのです。」

磁極が何時反転しそうになるのかを予測するのに、これらの衛星が助けとなる事を科学者達は期待している。 これらは、生命を救う事にさえなるかもしれないのだ。

「私達は次の10年か20年の間に、地球の磁場が何処へ向かっているのかを予測する新たな科学を発達させる事ができると思います。 そして、それらを計画の道具として利用するのです。 衛星を飛ばす人々の為の道具としての利用。 有人宇宙飛行を行う人々の為の道具としての利用。 そして、技術を発展させる事は、これから起ころうとしている反転に対処する為に必要なのです。」

反転が近づくのに伴って我々の磁場は継続的に衰退し、宇宙線は地表へ益々接近してくるのだ。

「しかし私のXXXでは、その磁場の強さが失われる事によって何らかの形で反対向きの影響を受けるのです。 それは、これらの事象を生き抜く方法を描き出してくれるのです。」

では、人類という種の生存の為に我々は何をすべきなだろうか?。

「地球磁気力学に関して我々が直接成し得る事は多くありません。 それは自分がしたい様に変化するのです。 しかし衛星を得た現在、私達はもっと近づいて見る事が可能であり、恐らく、もっと意味のある予測を行うことが可能となったのです。 そう、少なくとも生物種として、私達は適応するチャンスを持っているのです。」



本日はメインテナンスの為に本宅に来ているのです。(大量のDMに混じって年賀状が郵便受けに溜まっていました。 今更、どうしましょうねぇ。)

ネット上のラジオ/ビデオ番組を視聴する場合、私は通常ヘッドホンを使用するのです。 しかし、本宅には予備のヘッドホンも置いていないので、上記の番組中で聞き取れなかった箇所もあるのです。 大筋において重要な語句では無いので、適当に聞き流すのです。(念の為、ビデオに流れている音声を書き起こしたスクリプトを本稿の「追記」パートに記載しておきます。)

我が国の税と社会保障の一体改革に関する与野党の皆さんの議論や、債務危機を巡る欧州当局者達の詭弁についても、大筋において意味の無い内容なので適当に聞き流しているのです。


次回に続く...



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当局者達の詭弁

又しても A.E-Pritchard の記事ですが、今回は彼も Simon Tilford というエコノミストの現状分析記事を引用しているのです。



The European fallacy of Ireland and the Baltics
アイルランドとバルト諸国に関する欧州の詭弁


Merkel Sarkozy Lagarde

欧州改革センターのサイモン・ティルフォードから又しても素晴らしい論文が出た。

イタリアやスペインはバルト諸国やアイルランドを見倣うべきだと、ユーロ圏の政策立案者達 - サルコジ大統領やウォルフガング・ショイブレから前ECB総裁のジャン・クロード・トリシェまで - は提唱した。 これら4つの国々は、緊縮財政、構造改革そして賃金カットが経済を成長軌道へ戻し、債務を持続可能なものとする事を証明したと彼等は主張する。

ラトビア、エストニア、リトアニアそしてアイルランドは、所謂(いわゆる)「拡大的財政規律」が機能し、通貨の切り下げを行わずとも経済は対外的な競争力を復活させる(そして彼等の貿易赤字を無くす)事が可能である事を証明した。 その様な主張は、とても誤解を招くものである。 彼等の助言をイタリア及びスペインが受け入れたとしたら、欧州の経済及びユーロの将来が壊滅的になる事を意味するのだ。

ティルフォード氏が明らかにした様に、これらの主張は認知症である。  - 北部欧州での需要増加又は金融刺激策と相殺する事無く - クラブ・メッド(地中海クラブ)全体が一斉にそのような政策を実施する限り、彼等は自滅的であり経済的恐慌へ導いてしまう事を証明するだろう。 私の見解では、同様に彼等は初期のファシズムや悪人の集りへと導いてしまうかもしれないのだが、未だ我々はそこに至ってはいない。

残念ながら、これが - ゲルマン人の指令()によって欧州に課せられた - 欧州の「財政協定」の下での現在の政策の方向性であり、何故IMFが現在非常に立腹しているかという理由なのである。 IMFの新しい予測では、今年イタリアが2.2%縮小し、スペインは1.7%縮小するのだ。

※訳者注:(Teutonic Diktat(独):Teutonic dictation(英))

国際通貨基金は、以前の予測からスペインの今後2年間のGDP見通しを5%削ぎ落としたのだ。 この事は、債務/GDP比率を11%押し上げる事になる - 債務曲線を成長レベルに乗せる様な感性だ。 イタリアの債務は6.5%高くなり、大規模な財政削減にも拘らず来年までに127%へ達する事となる。 因みに、これはギリシャが持続可能になると見られているレベル(120%)よりも高い。

「これは、積極的な財政引き締めだけで公的部門の財政が安定すると考えている人々への警鐘かもしれません。 ドイツ流の正統性に従う事で、今やユーロ圏の殆どが下向きの債務スパイラルに巻き込まれているのです。」と、ジェフリーズ証券のマーヒェル・アレクサンドロヴィッチは語った。

アイルランドとバルト諸国は全て、残酷な(経済の)縮小に苛まれているのだ。 柔軟な労働市場を持つ規模の小さな開放型経済である為、彼等はこの衝撃を生き延びた。

生き延びたという事自体は政策を擁護するものでは無い。 通常我々は、より高い規準を求めるのだ。

バルト諸国の場合、暴力的な程の失業率の上昇を招いてまでも、ユーロへのペッグと欧州通貨同盟プロジェクトの神聖さは価値のあるものなのか否かというのが妥当な質問であろう。 生産高は以前のレベルに戻っていない。 厳しい経済はダメージを長引かせており、膨大な数の人々の生活が荒(すさ)んでいるのだ。

中流階級の住宅保有者達にユーロ、フラン、そして円建てローンでの大きな損失を被らせる事となる通貨切下げを回避する為、大勢のブルーカラー労働者達をリガ(首都)の路上に投げ出す事は誉められた事なのかと、もしも貴方が左翼主義者ならば質問するかもしれない。 金持ち達の利益の為に貧困層が犠牲となったのだ。

何れにせよ、バルト諸国は”彼の者達の特異性()”を持つのである。 エストニアも、危機の初めには公的債務を抱えていなかった。 彼等は黒字を保持していたのだ。 この事が、フィッシャーの「債務デフレ理論」のリスクを防いだ。

※訳者注:(sui generis(ラテン語):彼等独特の)

これは全くクラブ・メッドの問題なのだ。 残酷な財政縮小は既にギリシャで破滅的なものとなっており、(今後)ポルトガルでも破滅的になり、そしてイタリアとスペインも真面目にそれ(財政縮小)を試みたならば瀬戸際へ押しやられてしまうだろう。

バルト諸国はつい最近になってソビエト連邦から主権を回復したのであり、報復主義のロシアが彼等のすぐ背後に迫っているという事を付け加えておくべきだろう。 痛みを伴おうとも、可能な限り欧州のシステムに固着する事はこれらの国々にとって焦眉の急なのだ。 スペイン及びイタリアは、(バルト諸国と)異なる政治的生き物なのである。

アイルランドの場合、確かに英雄的であり、GNP(GDPと混同しないで欲しい)を22%縮小させるという代償で、偽りの無い「内部的なデフレ」を実行した。 医薬品とITサービスの輸出により苦労して経常黒字を取り戻したのだ。 しかし、アイルランドは特殊な事例である。 この国は米国及び世界中の多国籍企業にとっての航空母艦であり、ユーロ諸国の中で最も柔軟な経済を持っている。

実際にアイルランドは非常に上手くやってのけ、今週には債券市場へ復帰して爪先を浸し始める事ができたのだ。 しかし、この国は未だ森から抜け出していない。 今年及び来年の欧州に関するIMFの悲惨な予測が正しいとすれば、アイルランドは新たな衝撃に苦しむ事になるのだ。

ここに、ティルフォード氏の考えの幾つかを示そう:

そのような賞賛を得る為にバルト三国の経済及びアイルランドは何をしたのだろうか?。 4つの国は全て経済的不況を経験した。 頂点から底まで、生産高の損失はアイルランドの13%からエストニアの20%、ラトビアの24%まで幅があり、リトアニアでは17%であった。 景気が底を打って以降、エストニアとラトビアの経済は失われた生産高の約半分を、リトアニアでは約三分の一を回復した。 この点について、アイルランド経済は殆ど回復しておらず、現在では新たな景気後退の予測に直面している。

これら4ヶ国の各々の国内需要はGDPよりも更に落ち込んだ。 2011年のリトアニアの国内需要は2007年よりも20パーセント低かった。 エストニアでは落ち込みが23パーセントであり、ラトビアでは28パーセントという信じられぬ様なものであった。 同じ期間において、アイルランドの国内需要は四分の一落ち込んだ(そして現在も低下している)。 何れの場合でも、貿易収支の大きな変化の為、国内需要よりもGDPの低下はもっと少なかった

対外収支の改善は輸出の奇跡を反映したものでは無く、国内需要の崩壊によって輸出が急減した事によるものだ。 2007年にエストニアはGDPの17パーセントの経常赤字を抱えていたが、これは2011年までにGDPの1パーセントと見込まれる黒字に転換した。 ラトビア及びリトアニアは、もう少し小さな規模で対外収支の変化を経験した。 アイルランドでは、2008年にGDPの5.6パーセントであった赤字から2011年には若干の黒字へと変わった。

4ヶ国は貿易赤字を縮小する必要があったのかという事について少し異論もある。 しかし、国内需要の大幅な減少を経験し、そして輸入の激減(また、それ故に貿易収支が改善した)によって経済成長の数値が良くなった国としては他の国々にとっての青写真を提供し難く、大国にとっての参考とならない。

もしもバルト諸国及びアイルランドが経験した様な形で経済スランプを実施していたら、スペイン及びイタリアは貿易赤字を解消できたかもしれない。 しかし、バルト諸国及びアイルランドが経験したものに比べると、EU内の二つの大きな南欧経済国における国内需要の崩壊は欧州経済に巨大な需要ショックを与えることになってしまう。

イタリア及びスペインを合わせるとユーロ圏経済の30パーセントとなり、これら2国での25%の国内需要の低下はユーロ圏全体で8%の需要の低下と換算されるのだ。 その結果としての欧州全体での落ち込みは、公的部門の財政、この地域の銀行セクター及び(故に)政府財政と銀行の両者に対する投資家の信頼へ途方も無い影響を与える事になるかもしれない。 スペイン及びイタリアにおける支払い能力と、この2ヶ国内の銀行セクターへの影響は破滅的なものとなる。

バルト諸国及びアイルランドの経験の妥当性を弱める他の要素もある。 大量の失業者という問題を抱え、特にアイルランドとリトアニアからの移民が増加している。 2011年4月までの1年間だけでも、アイルランド人の移住は7万6千人に達した。 この数値はリトアニアでも同様であり、2010年に8万3千人が国を去った。

比較してみると、イタリア及びスペインにおける合計は各々百万人及び75万人となる。 更に、アイルランド人はユーロ圏の外側の国々(オーストラリア、カナダ、英国そして米国)に殺到している。 対照的に、もっと多数のスペイン人及びイタリア人のかなりの割合は、通貨同盟内の何処かでの仕事を探し求めている様なのだ。 強固なドイツの労働市場は一部の移民を吸収できるかもしれないが、これ程の数は無理である。

他では再現できない対外収支の大規模な変化と、他の国が簡単に真似する事のできない移住にも拘らず、アイルランド、ラトビアそしてリトアニアは劇的な公的財政の悪化を経験した。 アイルランドの銀行を救済するコストを含め、公的債務が2007年のGDPの25パーセントから2011年には100パーセント以上へと上昇した。 ラトビアでは同期間に債務のGDP比が9パーセントから45パーセントへ増加し、リトアニアでは16パーセントから38パーセントへ増加した。 過去4年の間、概ね均衡する予算執行を果たしたエストニアは例外である。

バルト諸国又はアイルランドの経験からイタリアとスペインが学べる教訓は少ない。 イタリアとスペインによるこれらの経済の模倣を主張している者達は、自分達が前例の無い国内需要の落ち込みを擁護しながら論争しているという事を認めるべきである。 そして、これが如何にイタリアとスペインの政府及び銀行の支払い能力と整合するのかという事を示すべきである。 最後に、この様な理論による経済的ショックへ欧州経済全体がどの様に対処するのかという事を彼等は説明すべきである。

その通りである。

そのような戦略を主張する者達は、ナンセンスで危険な事を助長しているのだ。 彼等は正面から対峙すべきである。 幸いな事に、IMFは挑戦を受けて立った。 最終的に、世界は本当に不快に思っているという事をクリスティーヌ・ラガルドが明白にしてメルケル首相へ伝える様、我々全員で期待しよう。



他国の当局者達が称揚する程にバルト諸国の経済状況が良くなっていないという事は、以前にも紹介しました。(「バルト地方も厳しいのです」) 又、アイルランドの経済状況が依然として厳しいという事は、昨年の6月時点でも報告しました。(「欧州発金融危機」) その後、昨年11月にワイス・レーティングがアイルランドをE+(D以下がジャンク級)へ格下げした事も本稿で紹介しました。(「本当の格付け」)

ユーロ圏には加盟していないものの、同じく緊縮財政の成功例として当局者達が賞賛しているアイスランドの実態が厳しいという事も、以前の記事にて紹介しました。(「苦悩が続くアイスランド」)

政治家のセンセー方/官僚の皆さんが”不都合な事実を隠蔽する為に詭弁を弄する”のは、為政者たる人々の本能的な性質なのでしょうから、市民の立場から非難しようとも詮無い事なのでしょう。 国民の耳に心地よい詭弁を弄する政治家になる程、立派な人物と見られてしまうのは何処の国でも変わらぬ皮肉なのですよ。

しかしですね、この様な実態を殆ど報道しない主要メディアの皆さんはケシカランと思うのですよ。 一部のメディアは為政者のプロパガンダ装置として意図的に実態を隠しているのかもしれませんが、殆どの場合においてはメディア側の見識/知的レベルに問題があると感じているのです。


このブログ自体は各種の問題に関する私個人の考察の整理を目的としているので、その内容/表現/品位等について文句を云われても困るのですよ。(尤も、本ブログにアクセスする方々からコメントをいただくこともありませんが。)


次回に続く...



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2番手の本命

私はテクニカル分析というものを良く理解していないのですが、独特のユーモアを交えて解説してくれるので時折参照している Kimble Charting Solutions のチャートは、最近の為替の動きを解説してくれているのです。

EU格下げ後の各国通貨
(クリックで拡大)

「フランス他が格下げされそうだ」と先行する不安によって下落していたユーロは、実際の格下げ後に反転していますね。 現在は、「ギリシャと民間債権者達が合意しそうだ」との期待が先行しているのだとすれば、実際に結論が発表された時点で再度ユーロが反転下落するのでしょうか?。 株式等の取引では、「噂で買って事実で売れ」という類の格言もある様ですが。

私は、主要メディアが騒ぎ立てる噂よりも、多くの人々が余り注視していない潜在的な問題の方にこそ関心があるのです。以前の記事(「Vada a Bordo, Cazzo !!」)でも紹介した様に、A.E-Pritchard はポルトガルの状況を懸念しているのです。



Investors fear mounting losses in Portugal as second rescue looms
第二の救済が迫りつつあり、ポルトガルでの損失に対する投資家達の恐怖が増大している。


ドイツの権威ある研究所によると、ポルトガルは公的債務を封じ込めるという闘いに負けつつあり、最大で50%のヘアーカットを民間債権者達に課す事を余儀なくされるかもしれない。


Portugal needs haircut
Chancellor Merkel's likeness is used to advertise Portuguese spirit Beirao on a Lisbon billboard reading: 'Dear Angela, Portugal is giving its best. Seasons Greetings

年率2%の成長という慈悲深いシナリオにおいてさえ、債務の力学が制御不能となる事を防ぐ為にポルトガル
は毎年GDPの11%の財政黒字を実現しなければならないと、キール世界経済研究所のレポートは伝えている。

「ポルトガルの債務は持続不可能です。 それが唯一可能性のある結論です。」と、5%以上の財政黒字を長期間維持できる国は存在しないという事を警告した、共著者であるデイビッド・ベンセクは語った。

「何が引き金になるのか判りませんが、ギリシャに関する決定が下されたならば、人々は更に詳しく見つめ始め、ポルトガルは1年前のギリシャと同じ状況にある事に気付かされるでしょう。」

ポルトガルはEU-ECB-IMFトロイカからの2度目の救済を必要とする様になるとの恐れを反映して、同国の5年債の利回りは木曜日に史上最高値となる18.9%へ急上昇した。

€780億(£ 650億)の最初の融資パッケージは世界中の資本市場から締め出されていた公益企業の膨大な債務を認識していなかったと、ポルトガル産業連盟会長のアントニオ・サライバは語った。

「足りなかったのは€300億です。 我々は更なる資金と長い融資期間の組み合わせについてトロイカと協議する事が必要となるでしょう。」と、彼はロイターに語った。

ポルトガルが瀬戸際へ近づくにつれて多くの声がコーラスとなり、イデオロギーに関する論争を止めて長く続く困難に立ち向かうよう欧州に強く勧めている。 「火薬が湿ってしまう前に、直ちにバズーカを引き出す事が必要です。」と、メキシコ大統領のフェリペ・カルデロンは述べた。

危機がイタリアとスペインを巻き込まない事を保証する為にG20の国々は寄付しなければならなくなるだろうと、カルデロン氏は語った。 「封じ込め戦略の失敗は、ユーロの潜在的な内部崩壊だけでなく、世界中の他の国々にとって破滅的な事態を引き起こす経済危機となる事も意味しているのです。 これは、G20に参加している我々全ての責務なのです。」と彼は語った。

もしもギリシャの債務が2020年までにGDPの120%になるという目標を下回ったままであるならば、ギリシャ国債の損失の一部をEUの機関が吸収しなければならなくなるかもしれないと、欧州経済委員会のオリー・レーンは述べた。 「公的部門の基金へのニーズが増加しそうですが、劇的なものとはならないでしょう。」と彼は語った。

スタンスの変化は、年金基金、保険会社、そして銀行に全ての苦痛をこれ以上強要する事は不可能又は不公平であるという事を認める事になるのだが、彼がこの新政策についてドイツ、オランダ、フィンランド又はオーストリアからの同意を取り付けているか否かは不明である。

ドイツはこれ以上の金を提供しないとアンジェラ・メルケル首相は述べている。 ドイツの納税者達が損失を被らねばならなくなるという如何なる提言も、ドイツ議会の中で嵐を呼ぶ事になるのだ。

ポルトガルは、欧州中央銀行が3年間の低金利資金を大量に金融システムへ流し込んだ後でも信頼を回復していない唯一のEUの国である。

政府は緊縮策を実施しており、「これ以上の時間も、更なる金も求めない」と、ペドロ・パソス・コエーリョ首相は語った。 しかし、切り詰めを真剣に始めるにつれて経済は厳しい景気後退へと傾き、ギリシャ型の下方スパイラルへ向かう危険が高くなっているのだ。

今年は経済が5.7%縮小するとシティグループは予測している。 国際通貨基金は縮小は3%であると予測したが、スペインとイタリアの見通しを大幅に引下げた後で下方修正する事になりそうである。 「低成長シナリオ」の中でポルトガルの債務は持続可能なものとならないだろうと、IMFは述べている。

1週間前にスタンダード&プアーズがポルトガルの信用格付けをジャンク級へ引下げた為、幾つかのファンドは同国の国債を売却せざるを得なくなるだろうと、ジェフリーズのデイヴィッド・オーウェンは語った。 「まだまだ、この強制的な売却は続きます。 これは正に、ギリシャで起きた事なのです。」と、彼は語った。

トロイカによる救済は民間の債権保有者達を更に少数派となる立場へ減少させ、ポルトガルの債務再編が必要となった場合の更に大きな損失を示唆している事を投資家達は懸念していると、オーウェン氏は述べた。

「もしもECBはギリシャ債務のヘアーカットを受け入れる準備ができていないのであれば、ポルトガル債務についてもそれを受け入れないでしょう。 この事が既に人々の頭の中にあるのです。」と、彼は語った。

長期的な成長が2%の場合、ポルトガルを持続可能な道筋に戻す為に同国は56%のヘアーカットを必要とし、成長率が4%へ上昇する場合には(必要なヘアーカットが)46%となる、とキール研究所は述べている。

来年にGDPの118%となるのがポルトガルの公的債務のピークだとIMFは予測している。 しかし、政府、家計、そして企業の債務の合計は360%に近く、ギリシャよりも大幅に高い。 既に民間企業は対外債務の借り換えに苦労している。 それがポルトガルのアキレス腱である。

パソス・コエーリョ氏は熱意を持って改革を受け入れているが、同国の経済は依然として「構造的な硬直性の蔓延」に苛(さいな)まれており、今のところ失われた競争力は何も回復していない、とIMFが語っている。 昨年の経常収支赤字は依然としてGDPの8%であった。

ユーロ圏内におけるポルトガルの「内部的な切り下げ」はやっと始まったばかりである事をエコノミスト達は恐れている。



トロイカの皆さんとしては、「ヘアーカットに関する合意の達成」を条件としてギリシャへの支援第2弾を認めてしまうと、即座に名乗り出てきそうなポルトガルからの支援第2弾要請を断わり難くなってしまうのでしょうね。 また、ポルトガル側でも「ギリシャと同様な」民間債権者達へのヘアーカットを切望する事になるかもしれません。 この逡巡が、この数日間トロイカの皆さんもギリシャの交渉経過について口を噤(つぐ)んでいる理由なのでしょうか?。

一方、冒頭のチャートにも示されているとおり、ユーロ以上に強気な上昇を続けているのが豪ドルです。 しかし、昨日の記事(「不驚、通常封中国報虚偽」)でも指摘した様に、中国経済や資源/商品への需要に対する過剰な期待(又は誤った現状認識)が資源国通貨を押し上げているのだとすれば、こちらも危険な兆候なのかもしれません。



次回に続く...



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不驚、通常封中国報虚偽

本日も「ギリシャ政府と民間債権者達の協議は合意に近づいている」と、レーン欧州委員会副委員長はコメントしているようですね。 連日の様に同じ発言を繰り返しているのですが、その都度ユーロや欧州市場の株価が上昇しているのです。

このような欧州当局者達の姿勢は、「来るべき大問題」に備えて虚勢を張っている様にも感じられてしまうのです。 「来るべき大問題」の可能性として、景気先行指標であるバルチック海運指数の急激な下落や、更にその先行指標となる中国の鉄鉱石在庫状況等について本稿でも指摘しました。(「現在は2007年パート2」、「Walk, Don't Run !」)

私だけの邪推かと思いきや、同じ様な観点で疑いを抱いている人もいる様なのです。



China’s very mysterious data
非常に怪しい中国のデータ


ちょっと眺めてみよう。

中国の日本からの輸入が12月に16.2%下落し、台湾からの輸入は6.2%下落したという事に私は言及しきれなかった。

上海コンテナ貨物インデックスは数ヶ月間ずるずると下がった後で、11月に記録的な低さとなる919.44へ下落した。 その後は若干持ち直している。

中国コンテナ指標

鉱物、穀物、そしてばら積み商品の貨物運賃の指標であるバルチック海運指数(BDI)は昨年に44%下落した。 北京に所在するマースクのカスパー・モーラーは、鉄鉱石に対する中国の弱い需要が鍵となる元凶だったと述べている。

中国-BDI

注意警告。 BDIは又、船積み貨物の供給過剰を反映する事もあるので、完全な指標ではない。

しかし、中国全体の鉄道、トラック、河川そして航空便の貨物量は、10月の323億4千万トンから11月の317億8千万トン(最新データ)へ減少したのだ。 大きな下落ではないが、依然としてネガティブである。 (中国国家統計局)

秋季における中国の電力使用量は横ばいであったが、9月に8.9%、10月に8%、そして12月に7.7%と、(対前年比の)伸び率は大幅に低下した。

月ベースでの住宅投資は縮小しており、勿論、2つの地域を除いて中国の70の大都市で現在不動産価格が下落している。

では、どのように中国は第4四半期に8.9%の経済成長率を達成したのだろうか?。

私を叩いてみてくれ。

貿易と電力使用量のデータが中国経済の本当の状態を明らかにしていると私は強く疑っている。

1月の初めには明らかな改善があるものの、安全性の限界 - GDP比で100%の増加、又は米国における2002年から2007年の間の与信の増加の2倍 - を超えて中国は信用のバブルを膨らませてしまい、北京政府はこの種の人為的な刺激策で強力な牽引力を継続する事が不可能だ、という私自信の見方に固執せざるを得ないのだ。

実際、フィッチ・レーティングスによると、全ての過剰な人民元建て与信枠による全ての過剰なGDP押上げ策は崩壊したのである。

中国の一般世帯は世界でも最高水準の貯蓄率を持っており、消費は僅かにGDPの36%しかないので、消費を増やす事で簡単に(危機を)救済できるだろうとの誤った理解が広まっている。

北京大学のマイケル・ペティス教授は、その様な誤解を抑えつけている。 中国の人々は、他の東アジアの人々よりもそれ程高い個人貯蓄率を持っている訳ではない。 消費の割合が低い理由は賃金が低く、GDPに占める労働者の割合が低いからであり、そして経済全体が過剰な投資へと変形され、傾斜しているのだ。

これは深い構造的な問題である。 それは、指をパチンと鳴らすだけで変える事ができないものであり、自らの崩壊の種を含んでいるのだ。

中国は驚異的な国である。 彼等の幸運を望んでいる。 しかし、永遠の”超”成長を維持する為の秘密の公式を彼等は見つけていない。

その様な公式は存在しないのである。



A.E-Pritchard には珍しく、かなり主観的な猜疑心を露わにした文章ですね。

同じく、1月に中国政府が公表したデータから現在の中国の経済状況を読み解こうと試みた記事が The Economist 紙に掲載され、それの和訳記事が JBPress に掲載されています。(「中国経済:統計に見る2つの異変」) こちらの記事は、ホットマネーが中国から逃げ出している状況などを分析しているのですが、政府当局が発表するデータ自体を疑ってはいない様です。


次回に続く...



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アナリスト達はご機嫌斜め

アップル等の例外を除き、先週から始まった米企業の2011年第4四半期業績報告の内容も芳しいものではないのですが、先月のクリスマス前から始まった株式/商品市場の上昇は年が明けてからも継続しており、既にS&P500は年明け後に5%以上も上昇しているのです。 日頃から私は、アナリスト/エコノミストの方々を小バカにしているのですが、今回に限ってはアナリストの方々は真っ当な分析を行っているので、特段の理由が無くとも上昇し続ける株式市場の値動きの方が怪しいのです。

以前にも「素人博徒達の狼狽」という記事で不可思議な市場の動きを分析してみましたが、この様な時には冷静にデータを分析する Bespoke を参照してみるのです。



Analysts Start Out The Year on the Wrong Side of the Bed
今年のアナリスト達は機嫌が悪い(※)


株式市場は、この25年間で最高のスタートとなったが、この事をアナリスト達に言ってはいけない。 通常、年の初めに投資家達とアナリスト達は楽観的な姿勢を持つのであるが、今年はアナリスト達の機嫌が悪い様だ。 下記のチャートは、2012年の各日付毎にアナリスト達が見通しを引上げた数(見通しを引上げた企業の数-引下げた企業の数)である。 これまでのところ今年は、引下げた数以上にまとまった数をアナリスト達が引上げた事が1日も無い。 誰か、彼等にアイスクリームをあげてくれ。 又は、何はともあれ、彼等を励ましてやってくれ。

Bespoke Net Upgrade Day 2012

"Get out of the wrong side of the bed"
”ベッドの間違った方向から起き上がる” というのは、「(朝から縁起が悪いので)機嫌が悪い」という意味なのです。 ベッドの右/左のどちらが縁起の悪い側なのか判りませんが、朝から仏頂面を見せる者をからかう時などに使用する表現なのです。



上記の様な分析がある一方、(欧州/米国では)本日も市場は上昇しているのです。 スタンダード・アンド・プアーズがフランス他の欧州諸国の国債を格差げて以降、ユーロも上昇し続けているのです。 「ギリシャと民間債権者達との合意が近い」という類の当局者達の話が浮上する都度、上昇しているのです。

仮に民間債権者(を代表する国際金融機関:IIF)との協議で合意が得られた場合でも、次の問題としては大幅な損失を強いられる金融機関が更に格下げされる事となり、欧州の危機は収束しないと思うのです。 それでも当局者達は "Pretend & Extend" という態度を示し、市場参加者(現在は主に素人の個人投資家?)達も、次の問題が表面化して市場が大幅に下落するまで株式/商品/ユーロを買い続けるのでしょうね。

その一方で、景気先行指標とされるバルチック海運指数は著しい下落を続けているのです。(Baltic Dry Plunges 42% More Than Seasonal Norm To Start The Year

BDI Jan2012



"The defininition of insanity is doing the same thing over and over but expecting different results" (Albert Einstein)
「愚かさの定義というのは、異なる結果を期待しながら同じ事を何度も何度も繰り返す事です。」(アルバート・アインシュタイン)



次回に続く...



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