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太陽信仰の翳りII 2/2

恐らく機械翻訳しているのであろう Spiegel の英語版記事の文章は結構デタラメな文法/構文を用いているのでチョット苦労するのですが、昨日に続き、太陽光発電関連産業の状況を整理するのです。



German and Chinese Solar Firms Battle for Survival
ドイツと中国の太陽光関連企業の生き残りを賭けた闘い


Sorlar-Energy-Germany 2

パート2:中国のアドバンテージ

「ドイツ人達は先駆者でした。」と、過去形表現でツゥは語る。 しかし、いつも彼が「シ博士」と呼ぶ彼の上司の様に、この事業には他にも先駆者達がいると彼は言う。

無錫においても、太陽光産業は御伽噺の様に聞こえる。 それは、施正栄(シ・ジェンロン:Zhengrong Shi)博士の事である。 彼は、生まれた時に見捨てられた貧しい農民の子である。 シは中国で学んだ模範的な学生であったが、偶然にオーストラリアで太陽の研究に携わって博士号を取得し、彼の最初の太陽関連企業の株を購入した。 11年前、シは中国へ戻り、サンテックを設立して億万長者となった。

「シ博士の意思決定は常に正しいものでした;彼は、この危機から抜け出すべく私達をリードしてくれるでしょう。」と、自分の上司が太陽光産業におけるスティーブ・ジョブズであると主張するツゥは語る。 シは大量生産 - いつもの中国の戦略であるが - に頼っており、セルからモジュールまで全てを彼自身の工場で生産していた。 彼の会社は、無錫以外にも三つの生産拠点を有しており、更に8千人の労働者を抱えている。

「中国人はドイツ人達に盗まれた技術を再び手にする事ができるし、彼等(ドイツ人)は実際に太陽光技術について何も判っていないとシ博士は最も強く主張しており、その主張に応えて副社長達は奮い立つ事ができるのです。」

混乱した状況

シは光電変換工学の博士号を持つだけで無く、彼が以前に師事した教授をオーストラリアから招いて彼の会社の研究部門トップに据えた。 そして彼は再生可能エネルギー資源に関する課題について国連へ助言しているのだ。 ツゥの上司はいつも出歩いているのだが、生産工場に彼が現れる時は、北京から来た共産党政治局の役人である女性の後ろを歩いている様子が見られるのである。

「ドイツで導入されたプログラム程良いものではありませんが」と付け加えながらも、最終的に中国政府は太陽光エネルギー企業に対する小さな援助プログラムを導入する事を決定したとツゥは語っている。

ミュンヘンとスイスにあるサンテックで働くドイツ人の同僚からツゥは定期的な報告を受けており、太陽光事業に対するドイツの基金に関する如何なる変化についても遅れを取らない様にしている。 政治家達が助成金の削減について論争していると聞かされたツゥは、残念ながら現時点の状況が混乱していると語っている。

又、欧州製のモジュールによって生成された電力に対してのみ資金を付与する事を一部のドイツ人達が呼び掛けており、中国製太陽光パネルに対して報復関税を課す様に圧力をかけているという事も彼は聞かされた。

マサチューセッツ州での勝利

話しをビッテルフェルトに戻すと、ボイテルは報復関税について語らず、中国企業に対する不平についても話さない。 実際に彼は、アルミニウム又はガラスの様な商品を安く入手できる時には中国から購入している。 その上、ライバルが消滅した結果としてビジネス上の取引を結ぶべく12月にボイテルは米国へ飛んだ。

束の間の勝利に見えるこの出張の事を彼は好んで語る。 その出張で彼はマサチューセッツ州フォート・ディヴェンスに出向いた。 そこにあった太陽光技術の生産工場は倒産し、800名の労働者が解雇され、そして現在その会社の機器が競売に掛けられている。 群集の多くはフォークリフトを購入する為にやって来た地元の人々である。

ボイテルが出向いた目的は炉 - シリコンを1400℃(華氏2550度)で溶融し、細片状に延伸する背の高い灰色の機械である。 その細片はウェハと呼ばれるシートに裁断され、それらが太陽光セルへと加工されるのだ。 殆どのメーカーは、それら(ウェハ)をシリコンの塊から切り出す。

ボイテルは自社工場向けに更に多くの炉を欲した;それらは電力や金属を節約し、彼の生産建屋にはそれらを収容する余裕があったのだ。 それらの炉が価格競争で中国を打ち負かす助けとなる事を彼は期待した。 彼は、他の機械と一緒に180基の炉 - 合計でその工場の半分 - を€400万で購入し、全てビッテルフェルトへ送り出した。 それは、彼にとり最初で最後の大きな投資であった。

ドイツ工場での生涯

1月以降、炉は第三工場に設置された。 ここはアネット・ヘンスラーが働く場所である。 彼女はウェハ生産技術者であり、それはこれまで手掛けた中でも最高の仕事だったと述べている。 ヘンスラーは、太陽光産業がドイツ東部でどのように仕事を生み出してきたのかという典型的な事例である。

彼女は、白い防護服に身を包んだ小柄な女性である。 彼女の顔の半分は防護メガネで覆われている。 彼女は、既に成長した二人の子供を持つ女性で、彼女のボーイフレンドはドイツ国内の建設現場から建設現場へと、仕事があれば何処へでも常に飛び回っている。

ヘンスラーはビッテルフェルトで育ち、第10学年(日本の高3に相当?)を終えた後に地元の化学工場で見習い期間を修了した。 その工場は(ベルリンの)壁が崩壊した後に閉鎖された為、ヘンスラーは花を売り、スーパーマーケットの棚に商品を並べ、様々な職業訓練コースに参加したが一時的な職で生活してきた。 「私の履歴書は3ページの長さになるのよ。」と彼女は語る。 5年前に太陽光技術生産工場での仕事を始めるまで、彼女は定職を見つける事ができなかった。

ここ数日、ヘンスラーは16基の炉を監視している。 それらの内の一つが警告音を鳴らすと、彼女は更にシリコンを加えるという作業か、又は細片状のシリコンの一つが引き裂かれていた場合には必ずそれを溶融炉に押し戻すという作業を行う。 彼女は1週間の内に何れも8時間の4つの交代勤務を行うが、2週間に一度の週末勤務も含まれる。

中国での長時間勤務

ツァオ・ティアンティアンは無錫にあるサンテックのP2工場で毎日11時間働く。 4日勤務した後、彼女は2日の休みを得る - 彼女は残業をする必要があると上司が決定しない限り。 毎回交代勤務の後に職場を清掃しなければならないので、通常彼女は工場に12時間以上いる事になる。

昼休みの間、彼女は二人の女性労働者仲間達と一緒に、外の景色が見える食堂のテーブルの所に座っている。 彼女は、ご飯、牛肉の細切り、海老と野菜の炒め物を乗せた金属のトレーを自分の前に置き、トレーの横に携帯電話を置く。

彼女はスモックを工場に置いてきており、短い灰色のカーディガンを羽織っている。 彼女の髪は顔にまで垂れ、まるで疲れた高校生であるかの様にテーブルの前に座っているのだ。 ツァオは25歳である。 彼女は4歳になる息子を抱えており、彼女の夫もサンテックで働いている。

中学を卒業した後、ツァオは北部の江蘇省にある徐州から無錫へ移った。 本来は大学へ進学したかったのだが、ソニーの工場でパートタイムの仕事に就き、子供をもうけてサンテックの太陽光技術生産工場での仕事を始めたのだと彼女は語る。

ちょうどビッテルフェルトの労働者であるヘンスラーと同じ様に、彼女はこの新しい産業における機会を捉えた。 ツァオは長期間に亘って失業した事が一度も無く、太陽光技術工場だけが彼女にとっての唯一の選択肢では無かった。 しかし、サンテックの条件は他の何処よりも良さそうだったと彼女は語る。

労働組合の代表が説明するところでは、男性であれ女性であれ、サンテックに就職する全ての労働者は高卒以上であり健康でなければならない。 初任給は、残業代とボーナスを除いた税引き前の値で月に2500元 - €300を僅かに上回る額である。 年間に5日の有給休暇があり、健康保険も提供される。

工場での仕事は疲れるもので、一日が長く、常にプレッシャーがある、とツァオ及び彼女の友人達は語る。 しかし、それは何処の工場でも同じだと彼女は付け加えた。 彼女は、アパートを購入するまで夫と一緒に貯蓄するのだと語った。 そして、彼女は工場の中へ歩いて戻った。

ファイティング・スピリット

工場の中では、通路に立って彼女や他の労働者達がウェハを太陽光セルに加工するのを観察する事ができる。 彼女達はウェハの汚れを除いて型を押す。 彼女等は互いに近い位置に立ち、ドイツの競争相手よりも多くの作業を手で行うのだが、大きな機械の操作も行うのである。 一人の監督者がセントロサーム(Centrotherm)という文字が冠された機械を指差した。 それは、この工場にある多くのドイツ製機械の一つである。

通路の壁には、特に時間の厳守又は作業時間の短縮を達成したチームへの認証状が貼り出されている。 壁に貼られた新聞には、ダンスやスポーツ大会の写真が掲載されている。 本当に、サンテックに勤めている労働者達の人生は一つの大きな競技会の様に思える。

二階にある事務所の横では、経理部から来た従業員達が週末の歌謡大会の練習を行っている。 「我らは太陽の使者である」「世界中に溢れ出る聖なる炎を前方に掲げ」と彼等は歌う。 それは社歌である。 生産フロアにある大きなスクリーンが表示しているのはこの歌、賛美歌であり闘いの歌である:「太陽を追い、夢を実現し、心を一つにして努力し、困難に挑戦しろ。」

オフィスを飛び出していく前に、ツゥは様々な国の名を捲くし立てた:インド、ブラジル、チリ、ルーマニアそしてウクライナ。 「南アフリカも有望である様に見えますね。」と彼は語る。 もしツゥに時間があったならば、その様な話を彼はもう少し続ける事ができたであろう。 サンテックが太陽光パネルを販売できるであろう国々を彼は指し示していた。 理論上それは、この惑星の全ての国々を含むとツゥは信じている。 モジュールは非常に安価に生産されるので、太陽光発電に対する助成金が僅かしか無い又は皆無であるところでさえも、彼は販売する事ができる。 それは、この危機において良い事だと彼は語る。 窓の外のスモッグを指差しながら、これによって環境面での利益も得られると彼は付け加えた。

彼の太陽光パネルにとって、間も無くドイツは最重要市場では無くなるとツゥは語る。 過去8年の間、世界の光電変換産業の中でドイツの市場は70パーセント近くから20パーセント以下へとシェアを下げた。 しかし、もう暫くの間ドイツが国内での販売支援を継続するのであれば、彼にとって幸せである。 安価なモジュールと政府の助成金は、ドイツの顧客にとって素晴らしい取引になる。

援助について議論される間の保留

ドイツ人達は、現在までに設置された太陽光パネルへの資金だけの為に渋々€1000億を払った。 これは、太陽光発電を支援する為に間も無く電気料金に付加されるキロワット時当たり4セントを渋々支払う事になる全ての電力利用者達によって賄われるのだ。 実際、2009年から低下してきた太陽光発電への助成金を政府は更に20から30パーセント減らしたいと思っていたのだ。 太陽光パネルが非常に安くなったので、もはや購入者達は助成金に魅せられる必要が無い、と彼等は理由付けている。 しかし、少なくとも政府資金でこれらの企業の幾つかを救済する事ができる様にすべきと太陽光発電企業は願っていると、ドイツ政府は発表している。 この声明を発表したドイツの上院議会である参議院は、削減案に対して最近反対票を投じたのだ。

今や参議院と下院議会にあたる連邦議会とを仲介する調停委員会によって扱われているこの問題に関し、この夏、政治家達は議論を継続するる予定である。 彼等は基金を延長できるかもしれないが、それはドイツの電力利用者達によって引き続き仕事を補助してもらう、特に中国のサンテックの様な、太陽光パネルを販売する全ての企業を支援する事になるのだ。 もし - 勿論、仮定の話であるが - ソヴェロの様な企業が事業を続けている場合には、彼等も利益を得る事になる。

最近の火曜日に、ボイテルはソヴェロの第2工場の労働者達を招集した。 彼は依然として労働者達の上司であると伝えると同時に、彼は更に厳しい新たなリストラ計画に取組んでいる事を付け加えた。 彼等の賃金は破産引当金で保証されると彼等に確約したが、それは7月末までであるに過ぎない。

「誰もが競争相手を打ち負かしたいのです - それが普通なのです。」と、無錫でツゥは語った。 このアメリカ風中国人の起業家は、如何に資本主義が機能するかを学んだ。 国家が介入する時、国家が求めるもの以外に達成される何かを最終的に確保する程度の賢さを常に資本主義は備えている、と彼は語る。

いや、もはや彼はドイツを恐れていないと言う。 彼を心配させるものは、彼自身の国の中にいる競争相手なのだ。



ベルリンの壁が崩壊し、ソビエト連邦が解体された時、「市場資本主義/自由主義が共産主義/社会主義に勝利した」と多くの西側諸国の人々が勝ち誇りました。 しかし、安価で無尽蔵とも言える労働力を武器に中国が台頭し、市場資本主義に対する国家資本主義の優位性が注目される様になったのですね。 「政府が全面的に支援するのはズルい。 公平な競争ができないではないか!。」と憤慨しても仕方が無いのです。 同じ土俵で勝負したいのであれば、国家が特定の企業/産業へ独善的に肩入れする事を可能にする独裁政権を自らも選択するしかないのです。

独裁体制であるからこそ国際競争力のある産業から得た収益を国内で恣意的に再分配する事も可能なので、理論上は素晴らしい構造なのですが、現実的には富が公平に分配される事は無いのですよ。 特に中国やインドの様に倫理性の低い民族の国家においては、権力を握る一部の方々が不正に富を収奪してしまうというのが普遍的な構図なのです。

一方、低賃金を前提とした労働集約型の製造業で競争する事を20世紀の終盤に諦めた西欧(特に英米)の方々は、実体価値の無い金融業というものを世界規模で拡大したのですが、こちらでも富が公平に分配される事が無かったのですね。

欧州債務危機が象徴する様に欧米が主導した世界の金融システムが崩壊の兆しを見せ始める一方、低賃金労働力を背景とした中国やインドの事業モデルも行き詰まり始めている様です。 20世紀から蓄積されてきた様々な矛盾を一掃する為には、一旦、世界中を激しく揺さぶる様な激変が必要なのかもしれません。

終末的な事象への関心が高まっているというのも、人類の業が導いた必然なのでしょうか。


関連記事:「太陽信仰の翳り1/2」、「太陽信仰の翳り2/2


次回に続く...




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太陽信仰の翳りII 1/2

(追記:5月30日:23:55)
スペインの銀行システムに対する不安からユーロが下落し続けていたのですが、「ESMの資金を直接銀行救済に用いる事ができるかもしれない」と欧州の当局者が発言した途端に、ユーロが反発急上昇しました。 しかし、その直後にドイツ政府が「そのような措置に反対する事を再確認した」と発表し、レーン欧州委員もESMの流用可能性を否定した為、ユーロは再度下落してしまいました。

この様な理に叶わぬ詭弁を弄する事は、政策を立案する立場にある方々の論理性/倫理性/知能程度の低さを露呈するだけである様に思うのです。

一方、我が国でも、経済産業省他の方々による再生可能エネルギーの買取価格案を見る限り、経済性が論理的/科学的に検討されているとは思えないのですね。 悪しき前例/失敗から何も学べないのは愚者であり、判っていながらも己が利益の為に詭弁を弄する者は姦邪/姦者と蔑まれるべきなのです。 しかし、悲しい事に、その様に奸佞(かんねい)な為政者達を糾弾すべき大手馬鹿メディアの方々自身が愚かしい人々なので、詮無い事なのですよ。



German and Chinese Solar Firms Battle for Survival
ドイツと中国の太陽光関連企業の生き残りを賭けた闘い


ドイツは将来を見据えていたであろう太陽光産業及びそれに対する徹底的な助成を誇りにしていた。 しかし、その動きに中国人が便乗し、更に安価な太陽光発電セルを作り始めた。 今や生産過剰となってしまい、両国の企業は生き残りを賭けて闘っているのだ。

Sorlar-Energy-Germany 2

マイケル・ツゥは、彼のオフィスのガラステーブルの上に置いた目の前の時計を見つめている。 彼は動き出さねばならない。 彼は工場へ向かって歩き、彼等が作り上げた市場から引き続きドイツ人達を追い出さねばならないのだ。

ツゥは、年間1千万枚の太陽光パネルを生産するサンテック・パワーの副社長である。 世界中で同社以上に生産している企業は無く、ドイツ以上に購入している国も無い。

「私達は本当にドイツへ感謝しなければなりません。」と、中国の東側沿岸部の都市である無錫にオフィスを構えるツゥは述べている。 彼はドイツを賞賛している -- 綺麗な空気について、グリーン・エネルギーへの助成を早期に決定した政治家達について、そしてエコ意識の高い同国の顧客について。 彼の工場から出荷されるモジュールの3分の1近くがドイツに売られているのだ。

ライネル・ボイテルは、(無錫から)8500キロメートル(5300マイル)離れたビッテルフェルト-ヴォルフェンにある彼の太陽光技術工場に立ち、簡単に敗北を認める事はできていないと述べる。

「私達は中国よりも安い価格を実現したいのです。」と、ドイツの太陽光セル製造企業ソヴェロのCEOであるボイテルは語る。 彼は南西部の都市であるシュツットガルトの出身であるものの、ボイテルの仕事がソーラー・バレーとして知られる街の周縁部に位置したこの工業団地へ彼を連れて来た。 会議室の中で、彼は1.5メートル×90センチメートル(約5フィート×3フィート)の展示に向かって歩を進めた。 それは、すぐ近くの生産建屋で製造され、特に屋根への設置に適したソヴェロの「Tシリーズ」に使用されている太陽光モジュールである。

二つの大陸と二つの経済システム

彼はアルミニウム製フレームを軽く叩き、英語で語った:「ドイツ製です。」 ボイテルはドイツ製太陽光パネルを守りたいと思っている。 彼は苦しい争いを闘っているのだが、依然として彼にチャンスがあると信じている。 それにも拘らず、2週間前に彼の会社が破産を申請し、彼は更なる後退に見舞われた。 彼は今、より良い破産手続の条件で、この未来志向の産業に出資する用意のある新たな投資家達を見つける事を願っている。

ボイテルは、二つの大陸及び二つの経済システムの間で交わされている闘いに巻き込まれている。 中国では共産党政府が経済をコントロールしており、それはサンテックの様な太陽光パネル製造業者を含む大きな私営企業の舵取り及び支援を政府が行っている事を意味する。 サンテックの様な企業は太陽光企業へ安い融資を行って支援する中国政府のおかげで力強く成長したと、彼等の競争相手であるドイツの太陽光技術の製造業者達は疑っている。

ある意味で、これは国家資本主義対市場資本主義の闘いである。 しかし、ドイツ国内にも純粋な太陽光モジュール市場というものは無い。 その代わり、何万ものグリーン・ジョブを約束しながら今や年間€140億($176億)の基金の半分を太陽光産業へ注ぎ込んでいる「再生可能エネルギー資源法(EEG)」を携えて2000年に政治家達が作った市場があるのだ。

ドイツ国内の人々は、この国で特に日照条件が良いという理由でこれらの全てのモジュールを購入している訳では無い。 彼等は、20年間に亘る電力の買い取り価格(feed-in tariff)として知られる助成金を受け取る為に購入しているのだ。 同国は、市場価格より高いキロワット時当たり50セント(ユーロ)からスタートする価格を全ての太陽光発電提供者に保証した。

太陽光バブルの構築

この様な状況下で、ビッテルフェルトの会社内でボイテルの横に展示されている、108個の多結晶シリコンのセルで構成された重さ17.4キロ(38.3ポンド)の製品を含む、太陽光モジュールへの需要を政治家達は産み出した。 大きさや重量は製造事業者毎に異なるが、基本的な原理は同じである:太陽光モジュールは銀とアルミの帯が上部に印刷された太陽光セルで構成される。 そして、それらはフレーム内のガラスの下のフィルムに挟んで一緒にハンダ付けされ、プラグを備えている。

もはや太陽光モジュールを製造する事は難しくない為、ドイツや中国だけでなく日本や韓国等でも近年になって更に多くの企業がこのセクターに参入した。 しかし、政治家達がモジュールの生産地を特定しなかった為、ドイツ国内で助成金を受ける事ができるのはドイツ製の太陽光パネルで生成された電力に限定されている訳では無い。 対照的にイタリアでは、欧州で製造された太陽光パネルを設置した電力利用者がボーナスを受けるのだ。 結果的に、ドイツの助成プログラムは世界中に影響を与えたが、その一番手がアジアなのだ。

この事が太陽光技術のバブルへと繋がった。 直ぐに世界中の製造事業者達は、消費者が購入を希望するよりも遥かに大量のモジュールを生産する事となり、互いに相手よりも低い価格を設定し始め、それは昨年に50%も低下した。

それ以来、次から次へと製造事業者が破産し、ドイツだけでも12月に半ダース以上の企業が倒産した。 ビッテルフェルトが所在するドイツ東部のブランデンブルグには多くの太陽光パネル生産設備がある、スリンギア、ザクソニーそしてザクソニー・アンハルトだ。 この街は4月に最初の太陽光企業で最も知られていた Q-Cells を失った。 その生産建屋は、ソーラー・バレーにあるボイテルの工場の向かいに位置している。 ビッテルフェルトにおいて、彼等は少なくともソヴェロがこの危機を生き延びると期待している。 その企業は1250人の、又はこの地にある他の太陽光技術製造事業所よりも多くの従業員を抱えている。

全ての者にとっての”厳しい状況”

対照的に、無錫にあるツゥの事務所の下にある生産建屋には12000人の人々が働いている。 毎日、朝と夕方、彼等の長い時差勤務が始まる時、同社は6百万人の同市の様々な地区を巡回する55台のシャトル・バスで彼等をピックアップするのだ。

ツゥは高速鉄道で45分離れた上海で育った。 しかし無錫に来る前、彼は人生の半分を米国で過ごした。 数年前に彼は、アメリカ的なファーストネームとアメリカ的なビジネス手法を携え、マネージャーとして中国へ戻ってきた。 彼は49歳で背が高く、白いシャツと明るい真っ赤なネクタイを身に着けてひょろっとした男である;白と赤は彼の会社のカラーである。 彼のオフィスは僅かに装飾されている。 ガラステーブルの横に簡素な机があり、棚の上にプラスチックの給水器がある。 ツゥは、太陽光産業の危機が既に本格化していた昨年にサンテックへ来たのだ。

この状況を危機ととらえる代わりに、ツゥは「厳しい状況」と呼んでいる - しかし勿論、価格の下落は彼の会社にも影響している。 彼は指を鳴らして述べた「収益性」 - それが無くなってしまった事を意味している。 サンテックも同様にマネーを失っており、株価は急落した。

ツゥは、この奇妙な問題について誰を非難すべきかという疑問を抱いた。 その代わり、ドイツも市場経済では無いのではと彼は質問し、それは単純に、いかなる過剰供給の後でも市場が落ち着くという良く知られた原理であると述べた。 それこそ資本主義に付随するものだと、彼は語った。 この問題についての不満は感じられなかった。

中国政府からの低利融資について尋ねた時、彼の会社は一度もそれを受け取った事が無いとツゥは語った。

ツゥは製品開発を担当しているが、それは、更に安く太陽光パネルを製造する方法を探す事に彼が最近専念している事を意味している。 低下する価格との闘い - 今後、更に価格の崩壊へと繋がる事になるのだが - に関するツゥの戦略は、「積極的なコスト削減」である。 労働者達にとってこれは、更に短時間でモジュールを組み立てる事になる。 太陽光パネルの積層 - つまりフィルムの間にセルを接着する事 - に18分から時には20分を要する。 恐らく15分あれば十分でしょう、とツゥは語る。 又、自分達は使用する材料の量を減らす必要があると彼は言い、その為に彼等は更に薄いモジュールのアルミニウム・フレームを作った。

これが批判を生む事を意識し、青と白のエンブレムで飾られて「トップ・ブランド」と表記された書類を彼は指差した。 つい最近、彼のモジュールはこのエンブレムを冠する事が許された。 これは、太陽光発電製品を試験する企業から授与されたものであり、これに関して最も注目すべきなのは、その試験を行う企業がドイツ西部のボンに拠点を持っているという事である。 「品質に関するドイツのシールです。」と、ツゥは効果的な間を取って語った。

実体経済への帰着

中国のコストでドイツの品質 - それが現在求められているものだ。 原則として、これは又ボイテルがビッテルフェルトで達成したいと願っている事でもある。 ボンから送られてきたシールを含め、彼のモジュールにも品質のシール群が貼られている。

「同じ労働力で10から20パーセントの生産量増加」というのは、彼の生産工場から引き出そうとボイテルが目指しているものである。 これが、この闘いにおける彼の戦略である。 それは、彼の中国の競争相手であるツゥが追及しているものと似ている様に聞こえる。

ボイテルも又、危機が既に進行していた2年前まで太陽光産業に携わっていなかった。 彼は以前、自動車部品メーカーの為の電動工具を製造する企業に長年勤務した。 この52歳になる肩幅の広い男は、髪を後方へ梳(と)かし付け、額に皺を刻んでいる。 彼は短い語句で話し、自らを「リストラ、組織再編そしてコスト削減の専門家」と紹介した。

「太陽(光産業)は実体経済に帰着した。」とボイテルは語る - 彼の様な男達が出てくる場である。

実体経済において競争圧力は強く、それはしばしばアジアから来る。 ボイテルは、彼が電動工具の事業に従事していた20年前に既に中国人達を相手にしていた。 彼は市場シェアを維持しようと苦闘するドイツのベテランである。 その当時、彼等と同じ土俵で勝負したいのであれば主としてコストを削減しなければならないという事を彼は学んだ。

太陽の御伽噺

ボイテルは、 Q-Cells の子会社を救う為にソーラー・バレーにやって来た。 彼は投資家に雇われていたのだ。 危機の前の事、ソーラー・バレーの黎明期について尋ねられた時、彼は肩を竦(すく)める。 それは実体経済では無かったと彼は言う。

ビッテルフェルトにいる他の者達がソーラー・バレーの苦難の始まりについて話す時、それは幻想であり、御伽噺であったかの様な響きを持つ。 11年前、4人の男達 - 3人の技術者と一人のコンサルタント - がベルリンからやって来て太陽光セルの工場を村の中に建てた。 彼等は自分達の会社を Q-Cells と呼んだが、それは高品質なセルの代名詞となった。 その村は、今は無くなってしまった旧東ドイツの化学産業の中心的都市であったウォルフェンとビッテルフェルトの近くに位置している。 ベルリンの壁が崩壊した後、ここでは何万人もの人々が職を失った。 市長は即座に建築物への許可と低税率の特権を与えた。 Q-Cells は数百人の人々を雇用し、子会社を設立して直後に3000人分の職を支える事となったソーラー・バレーを作ったのだ。 それは直ぐに1万人になると人々は語った。 その当時、ビッテルフェルトで Q-Cells が生産していたよりも多くの太陽光セルを作っていた会社は世界に無かった。

それにも拘らず、中国や他の競合他社が製造していた完成品のモジュールでは無く、昨年末まで Q-Cells は太陽光セルのみを生産していたのだ。



今回も長い記事でしたが、これでも未だ前半だけなのです。 

関連記事:「太陽信仰の翳り1/2」、「太陽信仰の翳り2/2


次回に続く...

追記:
FT によると、ロスチャイルド・インベストメントとロックフェラー・ファイナンシャル・サービシーズが合併した様ですね(Rockefellers and Rothschilds unite)。 ここまで徹底的に世界を支配しようとする方々は、その倫理観に疑問符が付くものの、愚かな大衆とは懸絶した賢さを備えているのでしょうか。




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それは始まっている

バンキアだけでなく、地方財政も破綻しつつあるスペインは窮地に追い込まれている様です。



Spain Runs Out Of Money
スペインはマネーを使い果たした


Spain is out of Money

10年物国債利回りが再び6.5%辺りを飛び回り、ドイツ国債とのスプレッド - 又は「リスク・プレミアム(prima de riesgo)」 - が毎日高値を更新する中で、同国はこれ以上持ち堪(こた)える事ができないと、エル・ムンドが伝えている。

欧州のEFSF基金を銀行システムの救済に用いる事はスペインを外国の宗主権の支配下に置く事を意味するものではあるものの、伝えられるところによるとマリアーノ・ラホイ首相と彼の側近は、それを要請する事を受け入れたという。

それは壊滅的な後退となるものであり、未だ全ての選択肢が使い果たされていないので驚く事では無いが、ラホイ氏はその話を否定した。

「スペインの銀行システムに対する(外部からの)如何なる救済もありません。」と彼は語った。

結構だ、それでは、バンキア救済の為の€235億は何処からやってくるのか?。 同国の”秩序ある銀行再編の為の基金”(FROB)は€53億に減っており、その”無料食堂”を求める他の多くの候補者(銀行)がいるのだ。

スペインは債券市場で€200億又はそれ以上を何とか掻き集めねばならないのだ。 疑い無くマドリッドはそれを簿外に留めようと - 又は借入れコストに上限を設けるべくECBからの裏口融資を得ようと努力するであろうが、これは財政赤字を危険な水準へ押し戻してしまう。 誰も騙されはしない。

そうこうする間に、今朝バンキアの株価は30%暴落した。 JPモルガンと野村は完全に消滅するのも近いと予想している。 昨年の新株発行時に新たな株を購入した投資家達は殆ど全てを失うかもしれない。

アイルランドの場合のスピードと透明性を除き、これは私にとって全くアイルランドを思い起こさせる。 債務減免から債券者達を守り、銀行のエリート達の損失をスペインの納税者達が甘受しているのだ。

スペインの住宅(バブル)の崩壊は未だ半に過ぎないとバークレイズ・キャピタルは述べている。 百万戸の過剰な不動産を一掃する為には少なくとも住宅価格が更に20%下落しなければならない。 もしそうなれば、スペインにとっての銀行のコストは膨大なものとなる。

ブリュッセルの欧州政策研究センターは、€2700億が償却される事になると見ている。 我々はスペインの公的債務が直ぐに3桁に急増するのを目にするかもしれない。

今朝の私のコラムに記述した様に、スペイン経済は債務デフレのスパイラルに落ち込んでいる。 この状況において、金融及び財政政策は共に同国の身を切る様に厳しくなっている。 (経済の)縮小が加速する中で今年中に財政赤字を8.9%から5.3%へ削減するという計画は狂気に近い。

既に失業率が24.4%となっている社会に対してこれを実施する事は出来ない。 スペイン(又はイタリア)の国家破綻の全てのリスクをテーブルから除くべくECBを総動員する事で欧州が迅速にこの問題に終止符を打つ - そして、これは裏付けとして財政統合を必要とする - か、又はスペインの愛国者達がこの問題を自らの手に取り、EMU(欧州通貨同盟)の外側で国家を回復させるべく行動を起こすかの何れかである。

新たな読者達の為にはっきりさせておくが、私はドイツによるスペインの救済や如何なる同種の対応を「呼びかける」訳ではない。 20年に亘り本稿で幾度も詳しく述べてきた理由により、EMUは機能不全で破壊的な災難だというのが常に私の見解である。

私が指摘する点は、もし『彼等』が『彼等の』プロジェクトを保全すると共に厄介な結末を避けたいと望むのであれば、『彼等』はその様に思い切った行動を取らねばならないという事である。

この措置による結果をドイツが容認できないのであれば - そして、その様な結果は税金及び連邦議会の支出能力を欧州本体に譲り渡す事となり、彼等の民主主義を骨抜きにする事を意味するのであるから、私はこれらの要求に躊躇するドイツ市民に全く同情するが - その場合にドイツはEMU(欧州通貨同盟)を去らねばならない。 通貨ブロックを解体する為に、それが最も精神的衝撃を小さくする方法である(勿論、それでも精神的衝撃はあるが)。

私がドイツを批判するのは、これらの選択肢の何れに直面する事も拒否し、その代わりに破滅的な現状維持に執着しているという事である。

欧州の政治機能の麻痺がもたらす結果は、スペイン - そして他の国々 - が彼等自身の国家の利益の為に絶望的に行動するという具合に更に無秩序な崩壊となりそうである。

私は、スペインがEFSFの融資パッケージから何らかの耐久性のあるものを如何に得るかという事を見通せない。 進行中の危機はだらだらと続くであろう。 そう、経常収支赤字はGDPの10%から3.5%へ低下したが、国内需要を崩壊させて失業者数を560万人へ押し上げた事が主たる要因なのだ。 この - 概念を表象化すると -「失業で調整した経常収支の均衡」は率直に言って恐ろしい事である。

スペインの競争力格差は誇張されてきたと、FTのウォルフガング・マンショウは先週に示唆した。 スペインの輸出はドイツの輸出よりも速い伸びを示しているので、私には彼が意味する事を理解できる。 しかし、これは低い出発点からの伸びなのだ。 それは格差を埋めるのに十分でない。

スペインは、至極単純に誤った通貨の中にいるのだ。 それが、この危機の根本である。 融資パッケージは単に苦痛を長引かせるだけである。

「それは、国家及び金融セクターが同時にゲームオーバーとなる様に見える。 機械仕掛けの神(Deus ex Machina)が出てこない限り、我々は、直ちにペセタへ戻る事の利点を更に真剣に議論する事になるだろう。」と彼は述べている。

それは始まっている。



同じく Telegraph の記事から。

Spain's Rajoy fights losing battle to stave off EU rescue
(EUによる救済を回避する戦いに敗れつつある中でスペインのラホイは奮闘する)

Debt crisis: a $46 trillion problem comes sweeping in
(債務危機:$46兆の問題が襲ってくる)


同種の情報が急増してきたので、それらを処理しきれなくなってきました。 私も「run out of energy」となりつつあるのかもしれません。


次回に続く...



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破綻へのキックオフ

つい先日、チェルシーが敵地のミュンヘンでバイエルンに勝利して欧州チャンピオンズ・リーグを制しましたが、サッカー・ファンの関心は早くも来月の UEFA Euro2012 へと移っているのです。 市場関係者達の中にも、同大会を主催する国の経済へ目を向ける人々がいるのです。



Euro 2012 could harm Ukraine's ability to repay debts
ユーロ2012は、ウクライナの債務返済能力に悪影響を与えるかもしれない


ウクライナは、来月の欧州フットボール選手権の共同開催に費やした数十億ドルの全てを決して回収する事ができないかもしれず、その支出は債務返済の機会を複雑なものにしてしまうかもしれない。

Ukraine UEFA Euro 2012
Ukrainian striker Andriy Shevchenko. The country faces $11.9bn in debt obligations this year Photo: AFP


1ヶ月に亘るユーロ2012大会の開催 - 国庫からの$66億を含めて合計$134億(£90億)を消費している - は、元ソビエトの共和国がこれ以上外国からの投資を呼び込む事を可能にはしないだろうとアナリスト達は語っている。

そして、4つの旅行会社及び当局自身の期待にも拘らず、ウクライナの4つの都市で開催される大会が終了してファン達が家に帰ってしまった後に、ウクライナが欧州の新たな観光地として名を連ねる事は決して確実では無い。

今年中に$119億の債務返済義務を負い、その内の$53億が外貨建てという問題に直面している国にとってポーランドと共同開催するユーロ2012の資金調達の計算は重要であり、この国を外国為替市場の動向に対して敏感にさせている。

6月に政府は融資を受けた$20億をロシアのVTBキャピタルへ返済し、未払いのユーロボンドも$5億支払わなければならず、問題が不気味に迫りつつある。

キエフは新たな与信枠に関して国際通貨基金(IMF)と合意する事に失敗し、国家の支出をカバーする為のユーロボンドを10年以上も発行できずにいるのだが、その支出は10月の議会選挙を前にして大幅に上昇したのである。

職権乱用の罪で7年間の刑を宣告し、野党指導者のユリア・ティモシェンコを10月に収監した事は、ウクライナの信用性を傷つけ、幾人かの欧州の政治家達によってスポーツ・イベントをボイコットさせる事となった。

「ウクライナは、共同開催するユーロ2012から如何なる財政収入或いは経済的恩恵も受けないでしょう。」と、市場分析会社ダ・ヴィンチAGのマネージング・パートナーであるアンドリー・コルパコフは語った。 「そして、同国の国政のイメージが改善し、欧州連合がそれに反応するという可能性は全くありません。」

高騰するホテルの宿泊費の為に多くのサッカーファンが滞在期間を短縮するか全て諦めてテレビで自国チームの幸運を願う事になった一方、ウクライナの崩壊の度合いの高さは一部の外国人投資家達を怯えさせた。

政府のプログラムに基づいて同国は予算から$66億もの額をユーロ2012に費やしたが - 国営企業や民間投資家達からの助成を含めると、その合計額は$134億に増えた。

「実際には、(国家)予算が新たな債務を負う事となり、ユーロ・サッカーの祭りの為に今後何年間も納税者達が金を払い続ける事になるのです。」と、証券キャピタル・タイムズのエリック・ネイマンは語った。

同大会を主催する事によって被る損失が合計で$60億から$80億になるかもしれないと、ダ・ヴィンチのアナリスト達は予想している。

ウクライナ国立銀行は、1ヶ月に亘る大会期間中にキエフ、ドネツク、ハリコフそしてリヴィフを訪れる旅行客が飲食、宿泊及び土産に費やす金によって$10億の資金流入を見込んでいる。

しかし、もっと少なく見積もる人々もおり、(訪問者達の)支出は$8億にも届かないとダ・ヴィンチは見積もっている。

いずれにせよ、多くの支出が必要であったとウクライナ当局は主張している。

「国際空港と輸送のインフラを持たねば、外国からの投資を呼び込めないのです。」と、大会準備を担当する副首相のボリス・コレンスニコフは語った。

しかし、全く同意できない。

「そこには直接的な関連性がありません - 外国からの直接投資(FDI)は、投資環境の改善、つまり煩雑な役所仕事の削減によってのみ増えるのです。」と、ウクライナ証券投資キャピタルのアレキサンダー・ヴァルチッシェンは語った。

資金が適切に使用されたか否かという事にも議論の予知がある。

「数年間の準備にも拘らず、ファンの多くがウクライナを再訪したくなる様に魅了する為のまともな旅行者用のインフラ及び施設は作られてこなかったのです。」とコルパコフは語った。 「西側からの旅行者達によってウクライナ国内の利率が深刻に急上昇する事さえ忘れられているのです。」

これまでのところ、FDIが政府支出を補っているという証拠は殆ど無い様に見える。

国家統計サービスによると、昨年のウクライナへのFDIは2010年の$47億から低下して$46億となり、西側志向のオレンジ革命を受けて2005年にウクライナが引き寄せた$80億よりも大幅に少ない。

予算上の巨大な債務をキャピタル・タイムズのネイマンは予想している。

「年間12%の利率を想定した場合、毎年約100億フルィーウニャ(£7.9億)の予算が利払いの為だけに使われる事を意味するのです。 そして、依然として債務を借り替える必要もあるのです。」と、彼は語った。

債券として発行された同国の現在の国内債務の約半分、又は800億から900億フルィーウニャが、ユーロ2012への政府支出と関係している、とネイマンは付け加えた。

世界の資本市場からの政府の借入れに関する不透明な見通しとも相まって、膨らみ続ける国家の債務支払いはフルィーウニャの不安定性のリスクを増大させていると一部のアナリスト達は述べている。

「議会選挙の前に、政府はフルィーウニャの崩壊を防ぐ為のあらゆる努力を行うでしょう。」と、非政府系シンクタンクであるラツムコフ・センターのヴァシリー・ユルチンシンは語った。



ディナモ・キエフで活躍した往年の名選手であるミハイリチェンコもキエフの魅力をアピールしているのですが、投獄されたティモシェンコ女史だけは同大会の不成功を願っているかもしれません。



次回に続く...



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徳俵に足が...

バンキアの救済に必要な額は、スペイン政府の当初の見込みの倍の190億ユーロになりそうだという事で、欧州の債務危機は収束しそうにもありませんが、我が国とて安閑としていられる状況には無いのです。



Japanese Debt Downgraded by Fitch; No Urgency for Japan (Until Sudden Panic Hits)
フィッチによる日本国債の格下げ;日本にとっての緊急性は無い(突然のパニックに見舞われるまでは)


日本の公的債務がGDPの240%に達し、フィッチは日本のソブリン格付けを引下げた。

格付け機関のフィッチは火曜日に日本のソブリン信用度をA+へ引下げたが、これはスペインやイタリアよりも僅かに高いだけの投資適格級であり、急拡大しつつある債務を切り詰める為の東京(政府)の努力が不足している事を批判した。

日本の公的債務は今年末までに国内総生産のほぼ240パーセントへ達しようとしている、とフィッチは警告した。

新しい格付けは又、日本の経済が昨年の自然災害及び原子力の災害から依然として回復途上にあるという微妙な時期に、支出を抑制して税収を増やすよう野田佳彦首相へのプレッシャーを高めるものである。

日本は最終的に欧州を苦しめているのと同種の債務危機に直面するかもしれないと野田氏は警告し、2015年までに消費税を10%へ倍増させる計画に彼の職務を賭けている。 この増税は急増する社会保障費及び年金給付金を賄う為に必要であると彼は主張した。

しかし、彼自身の政党内の議員達でさえその計画を攻撃し、それは漸く日本が回復の軌道に乗りつつある中で成長を減速させると言っている。 日本が消費税を倍増させた場合でさえ、恐らく税収は中期的に(財政を)均衡させるには不十分であろう。

発表文によると、フィッチは日本の長期的な現地通貨格付けをAAからA+へ引下げた。 同社は又、同国の対外的通貨格付けもAAからA+へ引下げた。 何れの見通しもネガティブであるとフィッチは述べている。

A+という格付けは、何れもフィッチからAAA格付けを得ている米国、英国、フランスそしてドイツの様な他の主要経済国の格付けより4ノッチ低い位置に日本を押しやった。 今や日本の格付けは、欧州の債務危機に苦しんでいるスペインの1ノッチ上、イタリアの2ノッチ上でしか無い。 他の二つの世界的な格付け機関、スタンダード&プアーズとムーディーズ・インベスターズ・サービスは、昨年に日本の格付けを引下げている。

日本にとっての緊急性は無い(突然のパニックに見舞われるまでは)

日本の債務が制御を失って暴走するに従い、ケインズ主義のお調子者達は回復を阻害する恐怖の為に(財政再建に関して)何もしたくなくなってしまう。 彼等は20年以上も同じ事を言い続けてきた。

それにも拘らず、日本が債務の為に死ぬという緊急性は無いという反発の叫びが依然として存在する。

フィッチによる最新の格下げにも拘らず、国内の貯蓄と銀行が彼等の現金を政府債券と交換し続ける事で日本が安価な資金を潤沢に調達している状況に対し、この国は上昇し続ける公的債務の処理に関して緊急事態に直面していないと、アナリストがCNBCへ語っている。

90パーセント以上の国債は国内で保有されている為、世界第三位の経済大国に欧州型の債務危機が起きる可能性は依然として低いままである、とアナリスト達は言う。

「日本の債務の多く - 93パーセント - が国内の預貯金者達及び投資家達に保有される限り、リスク資産への影響は非常に限定されると私は考えています。」と、シティ・プライベートバンクのチーフ・インベストメント・オフィサーであるジョン・ウッズは月曜日にCNBCの「The Call」へ語った。

しかし低い利回りというのは、$5兆という同国の経済の2倍以上の大きさの債務総額に対処する上で政策立案者達が何もプレッシャーを受けていないという事も意味するのだ。 ロイターによると、日本の政府は2015年までに消費税を倍にする法案を提出したが、同法案は与党を分裂させて早期の選挙を強制する事になるかもしれない。

「それらの利回りがその様に歴史的低水準に留まる限り、政府が環境を意義深く変化させて改革するという動機は非常に限られるでしょう。」とウッズは語った。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスの上級副社長であるトーマス・ブラインは、昨年8月に日本を格下げして以来、彼の会社が沢山の否定的な論評を出したと、水曜日にCNBCの「アジア・スクォーク・ボックス」で語った。

「私達は、輸出の落ち込みや、恐らく悪化するだろう経常収支黒字を懸念しており、財政赤字の悪化に関しては多分更に大きな懸念を抱いていますが、日本を長期的に持続可能な財政軌道へ乗せる試みは依然として部分的であり一時的なものであると私達は言及しました。」と、彼は語った。

「...である限り」

前述の記事において「である限り」という語句は2度出現している。 鍵となる言葉は「それらの利回りがその様に歴史的低水準に留まる限り」である。

日本は、緊急性が全く無い状態からパニック的な緊急事態へ突発的な爆発で短期間に移行してしまう。 残念ながら、それが何時になるかを語ることは出来ない。 しかし、輸出の落ち込みと経常収支黒字の消失が非常に重大であると言う事は出来る。

日本の高齢化する人口という条件下で、昨年、年金機構の国債取引は売り越しとなった。

今、日本の企業は流れを食い止めるのに十分な債券を購入している。 しかし、もしも輸出が崩壊した場合又は何らかの理由で利率が大幅に上昇した場合、即座にパーティーは終了するのだ。

「大幅に」というのは、2.5%程度か、恐らくそれ以下への10年物国債利率の僅かな上昇を意味するという事を頭に入れておいて欲しい。 その様な上昇は、国家債務の利払いに充てるだけで日本の歳入の100%を消費してしまう。

それが何時になるにせよ、その時点で日本の選択肢は(紙幣の)増刷かデフォルトである。 何れにしても、世界中での本格的な通貨危機と共にパニックが始まるのだ。



「日本の経済が理論的には一夜にして酷い状況となるのです。」というリモート・ビューイングによる予測を以前に紹介しました(「ゲッ、次の危機は日本?」)が、この種の怪しげな予測だけで無く一般の経済メディアまでも同じ様に騒ぎ立て始めると、予測(予言)の自己成就作用が働いてしまうかもしれませんね。


次回に続く...



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