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成長を止めれば

前回の稿では、オンラインビジネスに押されて衰退する小売業という観点から、日本国内で疲弊する地方経済の活路となるヒントを探りました。

欧州各国と同様に日本でも、「人口ボーナス」と呼ばれる要因により農村から都市部に流入する労働人口の増加が近代化の過程で経済の成長を促したのですね。(特に明治後期から昭和前期までは、軍事力の増強にも寄与したのでしょう。)

既に日本では、労働人口の増加という経済の成長要因が無くなってしまっただけでなく、食糧や医療等の生活環境の劇的な改善で平均寿命が伸び、出生率の低下とも相まって世界最先端の少子高齢化社会となったのですね。 手の施し様が無い程に雑然たる人口密集地域となってしまった都市部(「住宅地の価値保存」、「過密都市」)はさておき、高齢者ばかりが取り残された地方の再活性化を考える際には、「地域経済の持続性」というものを考慮する必要があると思うのです。

人口動態の観点からも、「永続的に」成長し続ける経済といのは矛盾を内包するのではないかと常々疑問に思っているのです。



9 scenarios and all lead to stock plunge
Commentary: Death of ‘Growth Economics’ spells danger

全て株価暴落につながる9つのシナリオ
解説:「成長経済」の死は危険を告げている


サンルイスオビスポ、カリフォルニア州、(マーケットウォッチ) -「歴史は成長減速を米国に宣告しているのか?」とブルームバーグ・ビジネスウィークは問う。 そのとおり。 しかしトレーダー達や投資家達にとって、それは弱気な成長の減速以上に悪いものである。 成長が無い又はゼロ成長に対して計画しておきなさい。

何故?。 人口の増加が商品資源へ新たなストレスを加え、不安定、災害そして戦争を生み出す事により、ウォール街、アメリカそして世界の経済は、経済成長の反転及び市場の伸びの縮小という「脱‐成長」の長い時代の初期段階にいるのだ。 大きな問題が待ち受けている。

Nine Scenarios
Reuters
Our nine economic scenarios all lead to a stock plunge.
どうか聴いてほしい:収益の伸びは、以下の9つのシナリオの全てにおいて長い低迷に置かれるのだ。 経済は落ち込む。 収益は落ち込む。 株価は落ち込む。 取引は落ち込む。 選挙や財政の崖の雑音を無視し、歴史上の長期的な変化に焦点を当てなさい。

何故か?。 これは経済の「パーフェクト・ストーム」なのである。 9つのシナリオの全ては、全ての市場にとって悪いニュースとなって終わるのであり、貴方の将来の収入、貴方の家族の安全にとっての危険を告げているのだ。 直ちに、計画し始めなさい。


1.800年間の成長トレンド:産業革命前のレベルへの回帰

そう、歴史は成長減速を米国に宣告しているとビジネスウィークは述べている。 彼等は、「2013年の世界の成長が2%未満へ低下するとIMFは警告する」という論を展開している。 そこで、リチャード・ゴードンによる挑発的な全米経済研究所の調査の再考である:「米国の経済成長は終わったのか?。」

そのとおり。 「年間で僅か0.2パーセントの一人当たりの割合」という事を、18世紀以前の5世紀の長きに亘って歴史は我々に語っている。 そして、産業革命である。 1930年まで米国の「成長の急上昇」が2.5%へ達する数世紀である。 終わりの無い技術革新によって促進された:蒸気機関。鉄道。電気。更に色々と。 しかし「それ」は1950年以降に坂を転げ落ち、2007年までの一人当たり年間成長率の平均は2.1パーセントとなった。

NEBERのゴードンは警告する:「もし米国が現在の軌道を継続するならば、世界最大の経済は2100年までに初めの場所へ戻る事となり、年間成長率は0.2パーセントになる。」

2.”ゼロ未満の成長:”長い衰退の十年:2013年―2022年

今や市場は完全に不合理である:エコノミストのゲーリー・シリングがフォーブスに寄せた警告を読みなさい:「”悪いニュースは良いニュース”効果は長く続かず、市場は真っ逆さまに落ち込むと予測する。」 耳を貸さない強気派達は、危険に晒されるであろう。

聴きなさい:「世界の市場では、現在”壮大な分断”が進行している。 唐突に、世界中の弱体化しつつある経済が市場の楽観論を促進している。」 何故?。 全世界的な「金融政策的及び財政政策的な救済への依存性」である。 誰もが更なる刺激策、更なる救済を求めている。 「状況は非常に悪いので、それは良い事だ。」

正反対に、「ゼロ未満の成長」の長い十年というシリングの予測に向かって真っ逆さまに落ちる事となり、特に全世界の金融セクターの中及び米国の消費者の間での過剰性と過去数十年間に築き上げられた金融レバレッジを「理由」の大半として、ストレスの高い慢性的な失業率、加速する世界的な不安、地域紛争、より多くの国防総省予算が消えずに残されるのだ。

強気派であれ弱気派であれ、楽観主義者であれ悲観主義者であれ、これからやってくる緊縮の時代に備えた方が良い。

3.”ハイパー成長”トレーダー達:新たなバブルが2008年のメルトダウンを繰り返す

これはトレーダー達の超短期の世界的な現実である:彼等の頭は、「今や永遠なり」というニュー・エイジ教祖の瞑想の様に、「その瞬間」に焦点を当てている。 本日の終値、四半期収益、年間利益でさえ一般投資家達の興味かもしれない。 しかし嘗てビジネスウィークが報じた様に、15分というのはトレーダー達にとって「永遠」なのである。

ハイ・フレキュエンシー・トレーダー達の脳は、「シカゴから NASDAQ 市場が運営されているニュージャージーまで注文を送るのに20m秒を要する」という考えに狭められているとフォーブスは述べている。 より大きな力となるまでの長期的な世界人口の増加の様に、トレーダー達は物事を置き去るのだ。 残念な事に2008年のメルトダウンを繰り返しており、世界に対するトレーダー達の近視眼的な視点は最終的に裏目に出るのだ。

4.”永続的成長”:今や経済理論は自己破壊的なファンタジーである

永続的な成長というのは、ウォール街の銀行の全ての職業的エコノミスト達、アメリカ合衆国株式会社、大手石油企業、億万長者、FRBにとっての基本的な理論である。 経済成長は人口に平行する。 供給は無限である:世界は「少なくとも200年間持続するのに十分な1.4兆バレルの原油、120年分の天然ガス、450年分の石炭」を持っていると、商工会議所のCEOは述べている。 我々が必要とする量の少なくとも5倍である。

これらの古典的なエコノミスト達は、単なるリベラルとして環境経済学者達を無視している。 しかし本当の理由は:もし企業が環境に与えている損害に対して上昇し続けるコストを考慮しなければならなくなった場合、株の利益が落ち込むのである。

環境経済学者のビル・マッキベンも、この惑星が5倍のエネルギー供給量を持っている事を知っている。 しかし、それは大きな問題なのだ。 もし我々が供給量よりも20%多く使用した場合、我々は非常に多くの二酸化炭素を大気中に放出する事となり、我々はすぐにこの惑星を殺してしまうだろう。 大手石油企業は気にしていないと、マッキベンは警告する:大手石油企業は「赤面する様な産業であり、地球上の他の如何なる力とも異なる無謀な存在であり...我々の惑星の文明が生き残る上でNo1の公的な敵である。」 大手石油会社は、左翼主義で反資本主義の陰謀計画者であるとして環境保護主義者達を排除している。

5.制御不能な人口増加:地球は100億人を養えない。

マネー・マネージャーのジェレミー・グランサムの警告:地球という惑星上で「100億の人々を養う事は不可能」である。 しかし、それは国連の予測であり、「有限な資源と指数級数的な人口増加との回避不可能なミスマッチ...原材料品価格のバブルの様な暴騰」を生み出す。

商品の不足は2050年に「我々が100億の人口レベルに達した時に我々の種の長期的な生存可能性に対する」巨大な脅威となる。 ミスマッチは災害の引き金となる:「人口が増え続ける事により、炭化水素、金属、水、そして特に肥料の不足の再発によって我々はストレスを受ける事になる。 しかし、全世界の農業は明らかに最大のストレスを負う事になる。」そして、更なる戦争である。

6.ゲイツ、”人口増加は83億人を上限に”:しかし、それでもまだ多すぎる。

数年前、過剰な人口は世界で第一の問題だという事で、ビル・ゲイツと彼の億万長者の友達は皆同意した。 ゲイツ、バフェット、ターナーそして他の億万長者達は長らく人口問題を懸念しているとウォール・ストリート・ジャーナルが述べた。 「予測されているピーク人口の93億人では無く、世界の人口は83億人を上限にしよう。」という、国連の予測よりも人口を縮小させる計画の概要をゲイツは述べた。

それ以降、乳児死亡率を削減し、人口増加を減速させようとの試みの一つとして、所得の低い国々の為の安価な避妊法の開発研究にゲイツは資金を提供している。 地球は83億人を支える事ができないと他の環境経済学者達は警告する。 しかし、我々は現実的に直ぐに増加を停止する事ができるのだろうか?。

7.我々の”混み合う惑星”上での成長を終わらせる為に「世界の貧困を終わらせる」

経済学者のジェフリー・サックスはコロンビア大学の地球研究所のディレクターである。 「Economics for a Crowded Planet(邦題:地球全体を幸福にする経済学)」という彼の著書の中で、我々の惑星は実際に50億人だけを支える事ができるとサックスは述べている。 今日(こんにち)、我々は70億人であり、20億人多すぎるのだ。 加えて、我々は「1.5個の地球」を持っているかの様に天然資源を消費していると、科学者及び経済学者のグローバル・フットプリント・グループは述べている。

サックスの解決策:世界の貧困を終わらせる。 そして、先進国のGDPの1%未満をそれに使う。 アメリカは海外への支援をGDPの0.14%から0.7%へ増やす事ができるだろうが、米国国防総省が費やしている4%よりも少ないのだ。 何もしないというのは悪いシナリオである。 何故?。 成長というのは数十億人がより良い生活スタイルを求めることであり、希少な資源への一人当たりのストレスを、6個の地球に等しい300%追加する事を意味するのだ。 しかし、今日時点で70億人であり、2050年までに100億人であるとするならば、50億人へ削減するというのは単なるファンタジーなのだろうか?。

8.”脱成長”シナリオ:世界的な災害に対するワールド・ウォッチの解決策

脱成長は恐ろしいシナリオである。 最近のワールド・ウォッチのリポート「脱成長が世界の消費文化に代わるものを提供する」は、「グローバル・フットプリント・グループによれば、もしも誰もが平均的な米国人の様に生活した場合、地球は現在の人口の4分の1となる - 17億の人々を維持する事ができるだけかもしれない。」と警告している。 同じくワールド・ウォッチは警告している:「暴走する気候変動を防ぐための窓は閉まりつつあり、」そして「地球温暖化の低減は、消費と化石燃料の使用の劇的な削減無しには殆ど不可能である。」

転換点を過ぎた後、ワールド・ウォッチはこれからやって来るものに目を向けている:「海岸部の洪水、長引く干ばつ、そして病気の流行の様な自然災害による大規模な人口の移動」、「将来のシナリオは永続的な経済成長と互換性が無いだけで無く、経済及び社会的な衰退につながる可能性が高い」と我々は予想する。

理解してもらえただろうか?。 永続的な成長は死なのだ。 世界的な脱成長コンファレンスは良い心構えであるが、彼等の解決策はアメリカの資本主義者達にとって共産主義となってしまうのであり、そして又効果を及ぼすには弱過ぎるものであり、遅すぎるものなのだ。 更に悪い事に、脱成長活動家達には、億万長者である世界の資本主義者達を打ちのめすリソースが不足している。

9.”戦争と災害のシナリオ:”悪い結末は避けられない

地球上で「2020年までに戦争が人類の生命を決定付ける」と10年前に米国国防総省は警告した。 商品価格のインフレーションは「バブルの恐怖」を引き上げるだけで無く、戦争の脅威も増大させると、数年前にインベストメント・ニュースが警告した。

更に最近、「貧困国を洗い流している飢餓の静かな津波」が全世界的な食糧の暴動及び政情不安を引き起こしているとUSAトゥデイの社説が警告した。 燃料、エネルギーそして食糧の価格はスパイラル的に制御不能となっている...世界の穀物価格は2002年から250%上昇し、1日当たり僅か1ドルで生活している数百万人に飢餓が脅威を与えている。 遠まわしな表現を避けるならば、戦争が我々の歴史なのである。

そう、貴方が好きであるか否かに拘わらず、アメリカは既に、新たな、より大きな、より費用のかかる戦争に向かって進んでいるのだ:$29.7兆の新たな債務と推定される費用で230万足をイラクとアフガニスタンに投じ、過去11年間の二度の疲弊的な戦争の後で何も教訓を学んでいないのだ。 アメリカは戦争中毒になったのか?。 より大きな予算?。 更なる債務?。 緊縮財政?。 そう、全てのシナリオは成長を殺すのだ。 そしてなお、中毒患者の様に、災害を伴う事無く我々がこの狂気を止める事はないであろう。

貴方達全ての投資家への警告として、舞台は整った。 過去300年間の経済成長の軌道は終わりつつある。 貴方の家族を守るべく、行動しなければならない。 崩壊は、貴方が考えているよりも早く起き、速く広がり、広範囲に...今や、これらの9つのシナリオはパーフェクト・ストームなのだ。



うーん、個々の問題に対する踏み込みが浅過ぎる感を否めず、どうも論点が十分に整理されていないという印象を受ける記事ですね。 

「世界の人口が増加し続ける事」というのは多くの人が同意する問題なのでしょうが、根本原因の構造的な分析が不十分であると感じるのです。 例えば、「乳幼児死亡率を低減させるべきだ」という類の人道的な主張が多くの賛同を得る一方、「高齢化=歳をとっても死ななくなった老人の増加=非生産人口の増加」という負の側面に焦点を当てる事は、倫理的に憚られてしまうのでしょうね。 しかし、先進国において進行した核家族化/高齢化という現象が「老々介護」等の社会問題を増大させているだけでなく、医療/福祉に投じられる社会的コストを増大させているというのも厳然たる事実なのですね。

1950年時点での「出生時の予想寿命」が、日本において61歳、米国では68歳、中国ではナント41歳であったという事は、重要な本質的課題を物語っていると思うのです。(「人類という種の滅亡?」)

衆愚政治全盛の現代社会においては、この様に本質的な課題が解決される事を期待する事も叶わないのでしょうが、個人的な考察は今後も継続するのです。


次回に続く...



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シャッター街再生の道

嘗ての恩人の葬儀に参列した為、この数日間は非常に気分が落ち込んでしまいました。

巨大ハリケーンの被害を受けたNY証券市場の立会取引が中止され、コンピュータ上の Algos だけが株価を操作する状況をチェックする気にもなりません。 (ハリケーンが上陸したニュージャージー州には知人が多いので、少し心配していますけど)

という訳で、為政者達の詭弁によって構造の歪みが糊塗され続ける金融/経済情勢からも少し目を離し、私が本来的に関心を抱いている社会の構造について考察してみるのです。



The internet has made shops obsolete in some towns
インターネットは、一部の街の店を廃れさせた


10年前に遡ると、2002年のアマゾンの年間売上は$39億(£24)であった。

Retail Shops in the UK
People need to realise that the days of retail chains pushing as a matter of course for a nationwide footprint with hundreds of shops is dead Photo: Getty Images


比較として、$2180億の売上高を計上した世界最大の小売業者ウォルマートは彼等のオンライン上のライバルの55倍も大きかったのである。

10年を早送りしてみると、今年の売り上げ予測が$4500億程度のウォルマートに比べ、同予測が約$500億となるアマゾンは依然として遥かに後塵を拝しているままだが、そのトレンドは明白である。

アマゾンの売り上げが12倍に成長した一方、ウォルマートは2倍になったのみである。 55倍という差は僅か9倍に縮まり、- ウォルマートの元幹部でアスダのトップであるアンディ・ボンドを含め - 多くの小売業専門家達は次の10年間でアマゾンがライバルを抜き去ると予測した。

変化が今起きているのでは無く、それは(既に)起きており前進しているのだ。 インターネット・ショッピングはPCからタブレット端末に移り、今や携帯電話へ向かっているのである。 現状は恐ろしいペースで動いているのだ。

既に英国は、世界の中でもオンライン支出の比率 - 今年は13.2%と推定されている - が最も高く、電子的売上は今後10年間に英国における小売の3分の1を占める様になるとエコノミスト・インテリジェンスの最近のリポートが予測している。 それは控えめな推定である事が証明されるかもしれない。

その様な事を背景に、小売業者、地主、銀行、投資家として地方行政当局が協力して「放棄された商業施設のタスクフォース」を立ち上げた。 アマゾンの存在を彼等が無視しない事を願うのみである。

そのグループの目的は、主にどの程度「不動産債務」が成長の障壁になっているかという事を評価する事で、不調な英国の商店街を再活性化させる事である。 地主や銀行が商業施設に賦課している債務水準は、損失を透明化する事への恐れにより、その場所への投資、又は売却、又は廃棄を行う事に対して彼等を尻ごみさせていると専門家達は主張する。 タスクフォースは、銀行や地主達が「厳しい選択」を行うよう説得し、手詰まり状態を打開する事を期待して証拠を集めたいと考えている。 要するに、彼等の財布から(金を)引き出して投資させるか、売却させるか、又はその場所を潰して損失を受け入れさせるかという事である。

タスクフォースの議長であるマーク・ウィリアムズによると、「優先的な決定」を行うように彼等は銀行や地主達を説得しようとしているところである。 そして、- 幸運による反転を願いつつ - 彼等はロンドンの空の事務所にしがみつくかもしれないが、活力を失った片田舎の中心街での損失を受け入れ、再開発への道を残すだろう。

小売業の変化及びオンライン販売の成長という状況で、英国内には余りにも多くの店があるとウィリアムズは主張する。 彼は又、商店街が終焉を迎えている事と、1日に32店舗という閉鎖の割合は周期的なもの以上の現象である事を地主や銀行が十分に認識していると主張している。 それは多分真実であろうが、痛みに耐えるか、又は投資するかという事を彼等に説得するのは全く違う事なのだ。 また、ウィリアムズはそれを知っている。 それこそ、 - 債務を抱えている状況は実際に主要な問題の一つであるという - 既に知っている事を証明する証拠を集める為にタスクフォースが6ヶ月を費やす理由なのだ。 いろいろな方法で証拠を収集する事は、銀行及び地主達を真実に向き合わせる意味を持つのである。

月曜日にウィリアムズは、中心市街に投資した人々に対して「モラルと社会的責任」という話をした。 それは、再検討の結果から本当の進展を期待する人々に対してだけでなく、銀行に対しても - 警報ベルを鳴らすコメントである。 英国における商店街の終焉の背後にある根本的な原因に迫る事は、やりがいのある仕事であるが、それは非難の矛先を銀行や地主の玄関に向けるだけの別の口実であってはならない。 債務を整理するという事以上に、事態を変えるための解決策を考え出す事が - 銀行や地主達と同じく - 地方行政当局、開発業者や小売事業者次第であるというのが商店街の状況である。 銀行又は地主達が小売業の新たな現実に目を覚ます必要はあるものの、それと同様に投資したくなる魅力的な話を彼等は必要としているのだ。 どこかの時点で彼等が利害関係者達へ見返りを提供できる様な何かだ。

それは、何百もの店舗を展開して小売チェーンが当然の如く全国に足跡を残していた日々は失われたという事実を全ての当事者達が認識する必要がある事を意味する。 将来的には他の形の開発のみが現実的な選択肢であり、レンガとモルタル作りの小売店は一等地の商業地区における存在を全く保証されていないという事を彼等は認識する必要があるのだ。 そして、物理的な販売拠点となる為、中心市街地はオンライン買物客達が訪れて商品に触れる事のできる「ショールーム」にこそなり得るという事を彼等は認識する必要がある。

中心市街地にとっての将来は、もはや純粋にどうやって古い店舗を再開発するかという事では無く、スマートな(賢い)新しい店を其処に配置するという事である。 幾つかの事例の場合、それはオンラインとレンガとモルタルの業務を統合する事になり、他の事例の場合、それは単に小売業に対してグッドバイと手を振る事になる。 自分達の中心市街の将来の姿を計画している人々は、その事を念頭に置くべきである。



信用保険会社をスポットライトの下に置く時である

悲しい事に、小売業界の問題はそこに留まらない - 法人税を2017年まで凍結するという政府の決定について議員達は火曜日に議論する。 2008年のブームの時の水準に合された状態が保持されるという前提で、それは、同業界の貧しい小売業者達へ更なるプレッシャーを積み上げる事になると多くの専門家達が信じている決定なのだ。 それは行う価値のある議論である一方、それは信用保険会社のメリット - 又は他の何か - も検討する事になるかもしれない。

信用保険というのは、商品の買い手達 - この場合は小売業者達 - が倒産するリスクをカバーする為に企業が取得するものである。 それは仕入れ先に対して安全性と確実性を提供し、小売業者達がより良い信用条件を得られる様にするものであるが、それは利益の終着点であると主張する者も多くいる。

小売業に関わっている者ならば誰でも、問題の最初の兆候で信用保険会社が保証を取り去ってしまう事を知っている。 ある小売業のボスは、「雨が降り始めた時に傘を返せと要求する傘のセールスマン」という具合にそれを表現した。 仕入れ先企業が前払いで現金を要求するので、その保証の撤去は小売業者達の倒産を早める事も少なく無く、問題を悪化させる。 幾つかの事例では、それが生と死を分かつものになると批判者達が主張している。 勿論、小売業者達の倒産の多くは誤った経営又は乏しい取引によるものであり、どの場合に保険の撤去が純粋に決定的要因であったのかを知る事は不可能である。 一般的に信用保険会社は陰で運営し、彼等の活動について説明する事に消極的であるが、- 今は恐らく、彼等が白日の元に出てくる時なのだ。



上記の Telegraph の記事では、「経済効率性」という視点から従来型の小規模小売業とオンライン小売業の存在を対比させているので、私個人の関心事からは少し外れているのです。

日本国内では、人口動態の変化等によって「シャッター街」等と揶揄される様に地方の商店街が活気を失ってしまいました。 更には、経営難の為に数少ない店舗が閉鎖された過疎地域に残された高齢者達が、「買い物難民」と称される様にもなっています。

書籍販売からスタートしたアマゾンも取り扱う商品の種類を増やして売上を増やしていますし、店頭での試着という行為を省略して衣服や靴等のオンライン販売も増加の一途を辿っている事から、消費行動の変化に伴って流通小売の形態も大きく変わりつつあると思うのです。 一部のスーパーでは、食料品等の配送も手掛け始めています。

この様な変化を正しく理解するならば、「中心市街地はオンライン買物客達が訪れて商品に触れる事のできる『ショールーム』にこそなり得る」という上の記事の主張にも同意できますし、現在の日本国内において疲弊する地方を再度活性化させる方策のヒントも示されている様に思うのです。

しかし、未だ私自身の気力が十分に回復していないので、この様な問題に対する考察を深める作業は別の機会に行うのです。


次回に続く...



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ブンガ・ブンガ...エッ?。

一部では大変な騒ぎになっているようです。



Former Italian PM Berlusconi receives 4-year jail sentence in fraud case
詐欺事件でベルルスコーニ前イタリア首相が4年の実刑判決を受けた




BERLUSCONI SENTENCED TO 4 YEARS IN JAIL

ベルルスコーニが4年の刑を宣告された


Former Italian Prime Minister Silvio Berlusconi has been sentenced to 4 years in jail by a Milan court over the Mediaset TV rights case, according to Reuters.

ロイターによると、元イタリア首相シルヴィオ・ベルルスコーニは、メディアセット・テレビ放映権の事件に関し、ミラノ裁判所によって4年の実刑を宣告された。

The case revolved around a plan to purchase the rights to broadcast U.S. movies on Berlusconi's private television networks.

その事件は、米国の映画をベルルスコーニが所有するテレビ・ネットワーク上で放送する権利を購入する計画を中心に展開した。

A series of offshore companies were used to avoid paying taxes on the films. The price of the films was then inflated as they were sold internally. The difference pocketed by the defendants amounted to 250 million euros.

映画に対する税金を回避すべく一連のオフショア会社が利用された。 映画が内部で売却された事により、その価格は跳ね上がった。 着服されたその差額は2億5千万ユーロにのぼる。

Berlusconi has also been banned from politics for 5 years. Earlier this week he announced he was not planning to run in next year's election, a move that now looks prescient.

ベルルスコーニ首相は又、5年間の政治活動が禁止された。 今週の初め、彼は来年の選挙に立候補しない事を表明したのだが、今となっては先見の明であると見做せる。

The case against him and 10 others had begun in 2006, but had been suspended while he was Prime Minister as he had immunity.

彼と他の10人に対する訴訟は2006年に始まったのだが、彼が首相である間は免責特権により中断していた。

More to come...

更に(情報が)出てくる...



明朝までには、本邦のメディアでも報道されるでしょう。


次回に続く...



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反転は速いよ

過去に起きた地球の磁場/磁極の変化に関する最新の調査結果について、先日本稿にて引用した情報(「まとめて三つ」)を補足するのです。



Earth's Magnetic Field Made Quick Flip-Flop
地球の磁場は素早くひっくり返った


Earth Magnet Field Pole
The Earth's magnetic field, magnetic poles and geographic poles.
CREDIT: Earth's Magnetic Field image via Shutterstock
現代の人類が最初に欧州へ到着した直後に地球の磁場は物凄く迅速に反転し、1千年よりも短い期間に完全に反転したと、最新の研究が示唆している。

雑誌 Earth and Planetary Science Letters の中で10月15日に詳細に記されたこれらの発見は、どのように、何故、磁場の反転が起きるのかという事、そしてそれが太陽及び宇宙からの放射線に対して如何に地球を危険に晒すかという事に光を当てた、と研究に携わる科学者達が語った。

金属から成る地球の核は、北と南の二つの極を持った磁場を発散する巨大なマグネットの様な役割を果たす。 これらの二つの磁極は、非常に大まかではあるが、地球の回転の軸となっている、この惑星の地理的な北と南の極が位置する場所と一致する。

「地球の磁場というのは、非常にダイナミックな特徴を持つのです。」と、GFZ 地球物理学ドイツ研究センターの古代磁気科学者である研究員のノルベルト・ノヴァツィクは語った。 「その強度は、現在より50パーセント高い値から、90または95パーセント現在よりも低い値の間で振幅するのです。」

加えて、数十万年毎に地球の磁場は反転するのである - 北を指すはずだったコンパスが南を指す事になるのだ。 これらの反転は、地球の歴史の中の特定の瞬間における極の位置を指している石の中で文字通り揃えられた、冷えていく溶岩の中の磁力の影響を受ける鉱物に捉えられている。[地球クイズ:青いマーブルの謎

失敗した反転

それらの凍った岩の記録に基づけば、通常、磁場の完全な反転が完了するには数千年を要する。 しかし今や科学者達は、現代の人類が最初に欧州へ入った直後の4万1千年前に磁極が反転し、千年も経たぬ内に再び反転した事を発見したのだ。

科学者達は、黒海の海底から採取した堆積物の中のデータを分析し、それを北大西洋、太平洋南東そしてハワイ周辺から得たデータと比較した。 驚いた事に、地球の磁極の反転には約200年を要し、その期間中の強度は現在の僅か20分の1だったという事を彼等は発見した。

「場の反転に関する従来の考えは、2千年から5千年を要するというものでした。」と、ノヴァツィクは OurAmazingPlanet に語った。

地球の磁場の強度が現在の4分の1だった時、反転した状態は僅か440年間維持されただけであった。 その時磁極は、約270年かけて以前の場所とほぼ同じ位置に反転して戻ったのだ。 その反転は全般的に、その証拠が1960年代に最初に発見されたフランスの地方の名を取って、ラシャンプ・イベントとして知られている。 これらの新たな発見は、如何にこの反転が急速であったかという事を明らかにしている。



この反転の短さは、「所謂(いわゆる)発育不全の反転を表すかもしれない」という事を示唆していると、ノヴァツィクは語った。 「これは、地球の磁場が反転を試みたものの、元に戻ってしまった事を意味しているのです。」 小旅行としても知られる、その様な発育不全の反転は、前回の完全な反転以来78万年間に少なくとも十数回起きた、と彼は説明した。

磁場シールド

地球の磁場は、宇宙の深部や太陽より飛んでくるエネルギーを帯びた粒子から惑星を保護するのに役立っている。 グリーンランドから採取した氷の標本の中に見られる放射性ベリリウムのレベルから判断すると、ラシャンプの反転の間、地球は宇宙からの放射線に対して甚だしく危険な状態だったとノヴァツィクは語った。

その様な放射線は我々の現代社会に特定の脅威を与えるので、これらの反転を理解するのは宇宙からの脅威をより良く理解するのに役立つのだ。

「磁場による宇宙線の遮蔽が減少すると、通信や GPS 衛星がダメージを受けるかもしれません。」とノヴァツィクは語った。 「ですから、時間及び空間という尺度において如何に地球の磁場がダイナミック(動的)であるかを知る事が重要なのです。 強度と、従って遮蔽能力の変化が如何に早く起き得るかという事を私達は知る必要があるのです。」

地球の磁場は、液状の外核の撹拌によって作られる。 時々この外核が、一つでは無く多くのマグネットとして振る舞う事が可能であると研究結果が示している。 原理的に、これらのマグネットは互いを打ち消し合い、磁場全体を弱めたり反転させたりするのだ。

「私達は、これらのプロセスをより良く理解する為に、もっと多くの場所から同じ反転のデータが必要なのです。」とノヴァツィクは語った。



「地軸が移動し、世界中がひっくり返り、古代人も遭遇したエイリアンが再び地球に現れる」という具合にマヤの遺物から導き出した怪しげな推測(妄想)とは異なり、上記の情報は真っ当な地球物理学的調査の結果として判明したものですから、反証の根拠を持たぬ限り否定し難い事実なのです。


次回に続く...



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絶対に損をし(たく)ない

(追記:10月25日20:40)
私個人の潜在的な期待がバイアスとなっているのかもしれませんが、どうも株式市場等の見通しに関する悲観的な主張ばかりが目につく様な気がするのです。



John Taylor: Is Our Version Of The 1987 "Can't Lose" Paradigm Melting Down?
ジョン・テイラー:1987年における「絶対に損をしない」というパラダイムの崩壊の現代版?


質問
SP500 with QE1 2 and 3
過去数日間、現在の市場を支えている「バーナンキ・プット」の無期限QEと1980年代の「ポートフォリオ保険」の概念とを比較する PIMCO のビル・グロスの雑音が市場関係者の間で騒がれた。 勿論、ポートフォリオ保険として投資ユートピアで失敗したこの試みが、心理面と実践面の両方の理由で1987年の株式市場の暴落の原因になった事を我々は皆知っている。 我々は原則的にグロス氏に同意するものであり、リスク選好資産における昨年の夏の暴落の前にも実際に同様の主張を示したのだ。 現在とても多くの専門的投資家達がその考えを嘲笑しているのは可笑しな事であり、少し悲しい事だと我々は気付いた。 今回は本当に違うのだろうか?。 1987年の前半に株式を押し上げた「絶対に損をしない」という雰囲気は、2010年の9月に遡ってデイビッド・テッパーが彼の悪名高い「Win - Win」の演説()を CNBC で行って以来嘗て無い高みへ浮揚したリスク選好市場に見られるものと完全に同じであると信じるのは、本当に行き過ぎた理解なのだろうか?。 しかし2年以上が経過した現在、政策立案者達の最善の努力にも拘わらず彼等の影響が増々少なくなっている事が明らかであり、テッパー氏の「wins」の内の一つだけが実際に成就したのである。 どのくらい長く、自由市場の力はこれが続く事を許すのだろうか?。 機関株式投資家達が「ポートフォリオ保険」への信頼にタオルを投げ入れ、彼等は危険にさらされていないというのが誤りである事を認める前に、どのくらい長く彼等は25年前の10月の暗い日々の LOR(Leland O'Brian Rubinstein Associates, Inc)の様な企業に委託するのだろうか?。 現在の市場は、同じ様な黙示録へ向かっているのだろうか?。

それまで選挙に向けて期待していた以上にFRBから(マネーを)得られた事を受けた過去数週間の価格の動きは、実際に時代が変わりつつある契機なのかもしれない。 1987年のパラダイムは、暴落する前に変動の激しい期間を経たのだ。 勿論、自然な暴落というのは稀な事であり、それが起きる確率は天文学的に低い。 悲しい事だが、S&P500 が今後数日間(特に終値ベースで)1400レベルを維持できなければ、我々は現代版の LOR が窮地を救うと予想してそんなに長く待つ事はないであろう。 チャートが明らかにしているとおり、量的緩和は効果を失いつつあるのだ。 間も無く、それはネガティブになるかもしれない。



「経済が回復すれば株価は上昇する。経済が回復しなければFRBが介入するので株価は上昇する。」という主張
件のビデオはこちら



上のジョン・テイラーの記事を引用していた Zero Hedge から、同じく株式市場の悲観的見通しを示すチャートも載せておきましょう。

Zero Hedge Wild Ride 01

上の図で不足ならば、直近6カ月間の比較
Zero Hedge Wild Ride 02

ついでに、一週間前の記事から
Each line is the normalized gain in P/E from the onset of expectations for Central Bank largesse:
(QE2 - green; LTRO - red; QEtc. - Orange)
Zero Hedge Wild Ride 03


次回に続く...

追記:
なかなか暴落しない株式市場に Tyler Durden が苛立つのは理解できるのですが、お堅い Bespoke も同種の比較を掲載していたのです。
Bespoke SP500 Copmare with 1987




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