FC2ブログ

繰り返される愚行

先日の稿(「異常天候早期警戒情報」)に追記したとおり、本稿に掲載されている文章を「自ら作成したかの如く」転用するという浅ましい所業が再び散見される様になりましたので、昨年の一時期と同様に、この様な愚行を指摘する(馬鹿馬鹿しい)コメントを今後も加えねばならないかもしれません。



New threats to China's property bubble
中国の不動産バブルへの新たな脅威


2011年の後半、中国の不動産バブルが破裂する事を多くの者が予想していた。 住宅価格がピークとなり、ストレスの兆候が表れ始めているかの様に見えたのである(この議論を見て欲しい)。 しかし、調整はとても浅い事が判明し、住宅価格の上昇を阻止する中国政府の複数の試みにも拘わらず(そして部分的には成功したのだが - この記事を見て欲しい)、住宅価格は上昇し続けたのである。

Soberlook_201300629_01.png

Source: JPMorgan

何年間も預金の実質金利がマイナス圏に留まる中で、裕福な貯蓄者達にとって資金を回す場所は僅かしか無かったのだ。 不動産は、インフレ的なプレッシャーから逃れて余剰な現金を退避させておく主要な手段の一つとなったのである。 更には、(地方自治体に「奨励された」)銀行が喜んで貸し出しを行ってきた一方、地方政府は開発業者達へ土地を売却する事で多額の資金を作ったのである。 そして多くの場合、貸し手達及び開発業者達は「公正妥当」というよりもちょっと緊密な取り決めを用意したのである(この議論を見て欲しい)。 住宅市場から締め出された普通の家庭を除き、誰もがこの上昇から恩恵を受けたのだ。

GDP に対する住宅投資の比率は衰える事無く伸びてきたのであり、近年は他の国々が不動産バブルの高みにおいて経験してきた水準へ近づき始めているのだ。

Soberlook_201300629_02.png

ource: Credit Suisse

現在、IMF がまとめた賃金に対する住宅価格に基づけば、中国の大都市は世界で最も高価な住宅を抱えている事になる。 党の幹部達が彼等の「苦労して稼いだ」現金を投じているので、特に北京は高価である。

Soberlook_201300629_04.png

Source: Credit Suisse

そして、中国の不動産市場は本当にバブルであるか否かという事を西欧のエコノミスト達が論じている一方、大手の中国系開発業者達は公然とそれを認めているのだ。

サウス・チャイナ・モーニング・ポスト:3ヶ月前に開発業者達が提起した懸念を繰り返し強調しながら、本土の不動産市場は「バブル」のリスクに直面していると、中国万科[中国において最大の開発業者の一つ]の会長である王石(Wan Shi)は語った。

バブルは「光」で無いと、王は上海のコンファレンスで昨日述べたのである。 「もしもバブルが継続すれば、それは危険なものとなります。」

市場を冷ます3年間のキャンペーンを政府が3月に強化してさえ、住宅価格は上昇してきたのだ。

その施策は頭金と住宅ローン要件の引き上げを含み、上海及び重慶で初めて不動産税を課し、約40の都市において購入制限を制定したのである。 新築住宅価格は5月に6.9パーセント急上昇し、下落が反転した12月以降で最大になったと、本土で最大の不動産ウェブ・サイトの所有者である捜房(SouFun Holdings)は述べた。

しかし、バブルは長期間継続する事ができるのである。 この市場がピークに達したという兆候はあるだろうか?。 二つの重要な経済的展開が、この複数年に亘る住宅の上昇へのリスクを指摘しているのだ。

1.最近になって中国における預金の実質金利がプラスへ転じたのであるが、それは貯蓄の道具として不動産市場を利用する動機を低下させる事になるのである。 もしも富裕な貯蓄者達がインフレで損をするよりも利率で多く稼ぐのであれば、彼等は銀行預金に代わるものを探す事へ傾斜する事が少なくなるのだ。

Soberlook_201300629_04.png

Source: Credit Suisse

2.中国の金融市場における最近の狂乱と、金融条件を引き締める為の人民銀行の「遅れた反応」(この議論を見て欲しい)は、潜在的に広範な与信市場へ波及し、貸し出し金利の上昇及び、全般的に更に引き締めぎみな与信条件という結果に繋がるかもしれないのだ。 それは、不動産市場にとって喜ばしいニュースでは無い。

JP モルガン:- 私達は流動性の状況が7月に緩和されると予想していますが、直近においては、人民銀行による強硬路線が人為的な流動性の圧搾を生み出す事となり、実態的な部門への貸し出し金利の上昇を引き起こして(SHIBOR 金利も5.4%へと大幅に上昇しました)、既に弱い経済活動へ更なるプレッシャーを与えているのです。 私達の見解では、インターバンク市場のパニックを沈静化すべく人民銀行は直ちにリバース・レポ[流動性の注入]操作を行なうべきです。

これらは、製造業における弱さと併せ、中国の不動産市場を脅かしており、中国の短期的な成長見通しにとって良い予兆となっていないのだ。



本稿では、国内の大手馬鹿メディアの皆さんも参照する事が少ないであろう情報を整理する傾向が強いので、本稿の文章を盗用する行為自体も容易に露見してしまうと思うのですが、この様に自明な条件も盗用する方には理解できないのでしょうね。

因みに、上の記事は Business Insider にも掲載されています。

New Developments Threaten To Burst China's Staggering Housing Bubble
(新たな進展が中国の驚異的な住宅バブルを破裂させる脅威になっている)

勿論、Business Insider は情報の出所を明示していますけど。


次回に続く...



関連記事
スポンサーサイト



王朝の黄昏

中国の様な一党独裁体制においては、不合理な政策を合理的に調整するメカニズムが機能しないと思うのです。

彼の国で「輸出及び国内のインフラ投資で高い経済成長を維持する」という国是が掲げられた後、中央省庁/地方政府の役人や利権に群がる国営企業幹部/民間業者達の精力的な行動を促したのは、特権的な地位にいる人々の「金銭欲又は栄達欲」だったのでしょう。

中央の覚えを目出度くすべく、特に地方政府は社会的な有益性など全く顧慮せずに無用なインフラを乱造してきたのですが、調達した資金の返済には土地(厳密には土地の長期使用権)の売却代金を当て込んでいたのですね。 地方政府による節操の無い土地売却は投機的な不動産開発を促し、影の銀行システムを通じて高い利回りを求める(強欲な)人々の投機的行動も促したのですよ。

この様に、欲に駆られた過剰な行動を全国的に引き起こしたのは前政権なのですが、新政権の首脳部は流石に危機感を持ったようで、何とかインフラ投資/不動産開発の熱を冷ましたい(強欲な者達の目を覚まさせたい)と躍起になっているのでしょう。

しかし、一部の投機熱を冷まそうという試み(流動性の引き締め)は、賃金の上昇や労働生産年齢人口の減少等で既に成長が止まりつつある実体経済にもマイナスに作用する事になると思うのです。 つまり、時宜を逸してしまったのではないかと思えるのです。



Crunch Time
試練の時


低成長が中国の新たな通常である理由。


ForeignPolicy_20130627.jpg

中国における短期融資のコストが急上昇し、全世界の市場を苛立たせた先週の流動性危機までの1ヶ月間、殆どの金融機関は中国に関する彼等の成長予想を引き下げてきた。 6月半ばに、世界銀行は2013年の中国の成長予測を8.4%から7.7%へ改訂した;期待を下回る経済成長及び予想を上回る与信の伸びを四半期データが示し続けている為、とりわけ HSBC、クレディ・スイス、そしてゴールドマン・サックスも、過去2ヶ月彼等の中国の成長予想を幾度か引き下げたのである。 今や多くの銀行が7%程度を新たな通常として見積もっているのだ。

しかし、銀行の数字は依然として高過ぎるようである。 中国の経済は、輸出と投資によって牽引されるものから、より国内の一般家庭の消費によって牽引されるものへの、変革の中で転換点にあるのだ。 成長予測は、この変化の影響を過小評価しているのである。

最近の流動性危機、そしてその原因は中国の経済が将来直面する事になる困難の一部を表している。 過去2年間、そして特に2013年に、海外子会社を持つ本土の企業は、輸出の売り上げと偽ったマネーを輸入する為の貿易の請求書を偽造しながら外国から借り入れ、それを中国の人民元に換えて再貸出しを行なっていたのだ。 中国は、輸入品への支出や外国での投資以上に、より多くのドルを輸出から受け取っているので、人民元の価値を維持する為に中央銀行である中国人民銀行はこれらの余分なドルを購入せざるを得ないのである。 これを同行は国内市場において人民元を借り入れる事によって行っているのだ。 しかし、その借り入れコストは、それらのドルを利益の低い米国債へ投資する時に受け取る収益よりも大きい為、その準備金が拡大するのに伴って同中央銀行はマネーを失うのである。 本土へマネーを持ち込む大企業も又、中央銀行が流入するマネーを買い取る時に国内のマネー・サプライを拡大させる事を余儀無くさせ、システム内の与信の量を拡大させているのだ。

しかし5月に、当局者達は偽の取り引きの請求書を締め付け始め、輸出による売り上げを低下させる事となったのである。 急速な与信の伸びを吸収していた流動性と同様に、中国に入ってくる外国通貨が干上がったのだ。 急速に上昇する与信とマネー・サプライの伸びの減速の組み合わせは、銀行システム内に甚大な流動性の逼迫を生み出した。 これが恐らく、先週の流動性の危機及び今週の市場の痙攣(けいれん)を引き起こしたのである。

このプロセスに関して驚くべき事は、それを見過ごすという政府の決定である。 経済成長が減速して流動性の蛇口を元通りに逆転させるよう銀行が政府へ嘆願していてさえ、中国の経済を投資及び債務への中毒から遠ざけて再調整するという含みを、北京の政策立案者達は撤回しなかったのだ。 習近平国家主席の前任である胡錦濤の政権は、彼等が怖気づいて与信を増やすよりも大分以前から、成長が鈍化する事を決して許さなかったのであるが、習は路線を変えないと決めたようである。

先週のパニックから導かれる二つの重要な教訓がある。 先ず、それは絶対に必要なのであるが、成長が苦しむ事となり、銀行がプレッシャーを受ける事を意味してさえも - 中央銀行と北京の指導者達が与信の拡大に手を掛けようと試みる事を決めた様に見える。 6月20日のマネー市場の凍結の範囲は、恐らく中央銀行自身も含め、多くの者を驚かせたのであるが、暴走するプロセスとなってしまたものを北京が制御しようと試みる事により、今後数年に渡って更に市場の崩壊が起きそうなのである。

第二に、与信の手綱を操る事は容易で無い:金融システム及び借り手の全体的な主役 -- 不動産開発事業者達、資本集約的な製造業者達、そして地方及び省の政府を含め -- は、急速な与信の拡大に対して中毒になり過ぎているのだ。 他の方法では支払う事のできない債務の借り換えが困難である事に借り手達が気付くので、与信の伸びを封じ込めようという試みは金融部門に重大な逼迫を生み出すのである。 与信を封じ込める事は又、次の10年間における経済活動の大幅な縮小を意味するのである。

先週は、北京が難しいゲームを演じている事を思い出させてくれる。 世界の他の地域は利害関係を理解するよう試み、より持続可能な成長モデルへの中国の移行に対応すべきなのである。 経済に対して僅かな価値しか生まない、借金で促進されている大規模な投資プロジェクトへの依存から引き離すべく経済を再構築しようと中国の政策立案者達が試み続けているので、合衆国、欧州、そして日本は貿易のプレッシャーを減らす政策を実施しなければならないのである。 特に、より少ない貿易黒字及び外国からの投資の減少は中国の中央銀行によるマネーの創出を減速させる事になるので、如何なる追加的なマイナスの貿易条件も中国経済の安定性を更に脅かす事になるであろう。 自分達の経済を再調整しようという、世界中の市場にとって潜在的に重要な意味合いを持つ北京の試みにとって、貿易戦争は明らかに壊滅的なものとなるであろう。

次に何が起きるのかという事に拘わらず、今後数年間は中国経済がおよそ7%で成長するだろうという大方の予想は無視しても構わないのだ。 貿易及び投資の代わりとして、消費により牽引される成長だけでも、3から4パーセントの年率で中国の GDP を伸ばすのに十分である。 しかし、投資拡大の水準が急激に減った場合に消費が持続するかという事は明瞭で無い。 もしも、減速した投資拡大による雇用への影響に北京が首尾良く対処した場合、恐らく中国は現在の水準で消費の拡大を維持する事ができるであろう。 しかし、それは扱い難い命題である。

スーパー・パワーとしての中国経済の日々は終わった様である。 その代わり、過去10年間に蓄積された債務を減らす自らの道程をコツコツと骨を折りながら進む事に北京は甘んじる必要があるのだ。



インフラ投資の為に多額の債務を負っている地方政府や影の銀行を通じて闇雲に資金を調達した業者達は、利息の支払いにも窮しており、3ヶ月-6ヶ月という短い期間で元本の借り換えを繰り返さねばならない状況にあるらしいのです。 典型的な自転車操業であり、典型的なネズミ講(Ponzi Scheme)と云えるのでしょうね。

高い経済成長が続いていた時には、「民主的資本主義に対する国家(統制型)資本主義の優位性」等と囃していた方々も、最近では論調を変えつつある様に感じるのです。 (嘗て、「ジャパン アズ ナンバー ワン」と日本が囃された状況に酷似しているのかもしれません。)

さりとて、お馬鹿な政治家のセンセー方とお馬鹿な大手メディアに惑わされるお馬鹿な有権者達が名目的な主権を有するという体制(現在の「民主主義」ですね)が理想的であるとも思えないのです。

我が国においても、来月の参院議員選挙の後には、このような衆愚政治の不合理性が顕在化してくるだろうと思うのですが、お馬鹿な政治家のセンセー方やお馬鹿な大手メディアに惑わされているお馬鹿な有権者の皆さんには、政府の経済政策に潜む危険性なんて判らないのでしょうね。 恐らく。


付記:
上の記事を掲載している FP(Foreign Policy)は、掲載記事を閲覧する際にフェースブックやツイッター等のアカウントでログインする事を要求するようになってしまった様です。 しかし、この様に個人的な情報収集作業までNSAの方々に監視されたく無いので、私はログイン要求を無視するのです。


次回に続く...



関連記事

異常天候早期警戒情報

(追記:6月30日23:00)
梅雨前線は「元気の無い太平洋高気圧」と「元気なオホーツク高気圧」に挟まれ、中途半端な位置に停滞し続けているようです。 気象庁は「異常天候早期警戒情報」を発しているのです。

全国(地図表示)
MetOffice_Warning.png

怪しい天候の下では、突然に暗雲が垂れ込める事もあり得るのです。



Clouds Gather Over Italy
イタリアを覆って集まる暗雲


それは決して作用すべく運命付けられていなかった...

市場は、ECB による OMT の約束に基づく疑いの恩恵をイタリアの債務に与えたのだが、基本的な問題は依然として解決を待っているのだ。 昔であったならば、隠れたインフレ税及び政府の債務残高の減価と共に自国民の膨大な貯蓄を没収しながら、イタリアも単純にリラを切り下げたであろう。 今回、同国は「改革」を実行しなければならなかったのだが、それを行うべく選ばれた男は、市場で富を創り出す者達が毎日直面している苦労に関して全く何もわかっていない、EUが承認した典型的な官僚であったのだ。 そしてモンティ氏は、国家統制主義の官僚が習慣としている事を行ったのだ:彼は過剰に税を引き上げ、現金の使用を厳しく制限し、あらゆる種類の判明した税の誤魔化しに対して弾圧的な狩りを行う為に、餓死せぬようにと自分達の僅かな収入を補うべくオリーブの木の手入れを手助けした年金受給者達の所へ出向くよう税務官僚に命じたのである。 これらの活動の公然と宣言された目標は市民を怯えさせる事であった。 我々は単にこれを創作している訳では無く - これは彼等が達成したいと述べた事であるが、彼等の活動は経済を圧迫しようとさえしていたのである。 実施された方法の一部の詳細を、我々は過去の記事に書いたのだ。


昨年イタリアの納税者協会が述べた様に:「モンティの改革は新たな税の導入から成っており、その他には何も無い。」

驚く事では無く、それ故に根本的な問題はあるべき場所にしっかりと留まったままなのである。 政府の債務残高は(年間にほぼ€750億という割合で)上昇し続け、経済は沈み込み、そして市民が弾圧されてきたのである。 良くやった。

勿論これは現在イタリアに限った問題ではないものの、今や債券市場の落ち着きは、明らかにこれ以上当てにする事ができず - 債券利回りは全世界的に急上昇してきたのだ。 イタリアにとっての問題は、債券利回りが上昇し続けた場合に止める事の不可能な債務スパイラルの力学が彼等自身を再び猛攻撃するだろうという事なのだ。 更に、銀行はイタリア国債にどっぷりと浸かっているので、銀行システムは既にあるもの以上の大きなトラブルに見舞われる事となるのだ。



actingman_20130628_01.gif

イタリアの10年物国債利回り:再び5%の水準に近づいている。



支払い能力のリスクは黄色信号の警告

メディオバンカは、最近になって警告信号を発している「支払い可能性リスク」指標を作った。 特に連立政権が緊張下にあるので、これは不吉な進展である。 最近のテレグラフの報告によると、奇跡が起きない限りイタリアは6ヶ月以内に助けを必要とするかもしれない。 結局、それはスーパー・マリオの OMT の約束が試される事になるかのようである。:

全世界的な債権の総崩れが2週目へと継続し、借り入れコストを押し上げている為、イタリア第2の大手銀行であるメディオバンカのイタリアに対する「支払い可能性リスク指標」は既に警告サインを点滅させていたと、同行は語った。
「時間は急速に使い果たされつつあります」と、メディオバンカのトップ・アナリストであるアントニオ・ググリエルミは、顧客向けの極秘文書の中で述べたのだ。 「前四半期におけるイタリアのマクロ的な状況は改善しておらず、寧(むし)ろ反対です。 今や、イタリア国内の160程の大手企業は特別な危機管理状態にあります。」
低い借り入れコスト及び広範囲な回復を頼りと出来ない限り、今後6ヶ月間でイタリアは「必然的にEUの救済要請という形で終わる」事になるだろうと、同報告書は警告したのである。

事態の重大さを強調しつつ、思い切った緊縮策にも拘わらず1992年に同国が為替相場メカニズムによって吹き飛ばされた時と(現在の)危機を同報告書は比較したのだ。 イタリアの€2.1兆(£1.8兆)の債務は、米国及び日本に次いで世界で3番目に大きいのである。 その債券市場における如何なるストレスも、ユーロ圏の危機を再燃させる脅威となるのだ。 これは、米国の FRB がドルを排出し始める事になると先週に通知した後で、既に始まったのかもしれない。
[...]
安全な避難先であるスイスやドイツの国債も又、総崩れの中で急激に売却されており、「先細りのテロ」がユーロ圏の投資家達を彼等の自己満足から目覚めさせているのだと、ソブリン債ストラテジストのニコラス・スピロは語った。 10年物英国債の利回りは2年ぶりの高さとなる2.53%で取り引きを終えたのだ。
利回りはスペインで5.1%、ポルトガルで6.7%とパンチを食らわした。 これは、これらの国々における社債市場を通じて2次的な衝撃波を送っており、回復を締め付けているのである。
「これを相殺すべく欧州中央銀行は非常に積極的な措置を講じる必要があります」と、ジェフリーズ・フィックスド・インカムのマルチェル・アレクサンドロヴィッチは語った。 「世界中で売りが起きているのです。 もしも ECB が行動しなければ、過去9ヶ月の全ての利益が2週間で消滅し、ユーロ圏を振り出しへ戻すのを目にするかもしれません。」
[...]
5%の借り入れコストはスペイン及びイタリアを足腰の立たない状態にする事が証明されるであろうが、何れの国も名目 GDP の縮小に苦しんでいるのである。
イタリアにおける暴発の引き金は、スロベニアに対する救済の危機、又はイタリアのビジネスと密接に関係しているアルゼンチンでの出来事の不愉快な変化かもしれないと、メディオバンカは語った。 「新たなデフォルトがありそうなので、特にアルゼンチンが私達を心配させているのです。」


(強調追加)

そして、更なる中央銀行の介入に対する叫びは既に高まりつつあるのだ - 驚くべき事でも無いが。 面白い事に、アルゼンチンが潜在的にイタリアにおける危機に対する引き金となりつつある事を我々は発見したのであるが、- メディオバンカが言及した強い経済的関係に我々は気付いていなかったのだ。

如何わしいデリバティブ取り引きが債務の隠蔽を助けた

そうこうする間に、ユーロ加盟に先立ち自国の債務の大きさについて嘘をつく為、正にギリシャと同様にイタリアも複雑なデリバティブ取引を用いたという事も判明したのである(当時、何らかの形態又は形式で全ての政府が自国の債務に関して嘘をついたという事を我々が過去に述べた事を読者達は思い出すかもしれない)。 これが正確にゼロという驚きの係数を持つ一方、その告白は、直に約80億ユーロという大きさで予算に打撃を与える事になりそうだという事を意味している。 そして、同国の債務及び赤字会計に当時深く関与していたイタリア当局者の一人が誰であるかを推測してくれ?。 この企みを料理するのを助けたとされる男は?。 それは、現在 ECB を運営しているゴールドマン・サックスの卒業生という事で他の誰よりも良く知られている(尤も、これは彼が GS に入社する直前ではあったが)。

1999年に大きな債務を負った国がユーロへ加盟する事を可能とした金融の戦術へ更に光を当てているローマの財務省の極秘報告によると、イタリアはユーロ危機が高まった時に同国が再編したデリバティブ契約で数十億ユーロの損失を生じる潜在的なリスクを抱えている。
フィナンシャル・タイムズが入手した29ページの財務省による報告書は、€317億の想定元本合計について外国の銀行と交わした八つのデリバティブ再編契約を含め、2012年上期におけるイタリアの債務取り引き及びエクスポージャーを詳細に述べている。
同報告書が重大な細部を考慮せず、イタリアの潜在的損失の全体像を提供する事を意図していない様に見える一方、
その再編は現金が逼迫した財務省が長期に亘って外国の銀行へ時間差を設けて支払う事を許可したのだが、幾つかの事例においては、イタリアにとって更に不利な条件が付帯していたと、同報告書を調べた専門家がフィナンシャル・タイムズへ語った。
その報告書は銀行名を明らかにしていないか、又は元の契約の詳細を提供していない - 状態を監査する者達を心配させる疑問である - が、それらは1990年代後半の期間へ遡るように見えると専門家は述べた。 その当時、イタリアがユーロに加盟する前又は直後、1999年にユーロを導入した11ヶ国の第一陣に加わる為に EU が設定した赤字目標を持たすべく、ローマは銀行からの前払いを受け取る事によって自らの会計の体裁を整えていたのである。
イタリアは1995年に7.7%の財政赤字を抱えていた。 同国のユーロのメンバーシップの承認にとって重要な年であった1998年までに、これ(赤字)は2.7%へ減少したのであり、ユーロ11ヶ国の中でもそれまでで最大の低下だった。

[...]
現在欧州中央銀行のトップであるマリオ・ドラギは、その当時イタリア財務省の局長であり、当時国債部のトップであったヴィンセンツォ・ラ・ヴィア、当時債務及び赤字会計に関わっていた高官のカナータ女史と共に働いていたのである。


(強調追加)

最終的にイタリア政府が畏(かしこ)まって ECB を訪ねている時に、「条件付き(conditionality)」(厳しい緊縮政策と読む)を課している人物としてマリオ・ドラギが今や全うしようとしている事は全くの皮肉である。 余談ながら、勿論イタリアは彼等のデリバティブの損失の範囲を全面的に開示しないので、€80億の数字は推定値である。 ECB も又、彼等のボスの関与に関して寧(むし)ろ堅く口を閉ざしているのだ。:

デリバティブの損失に対するイタリアの潜在的なエクスポージャー、又は、ドラギ氏が2002年にゴールドマン・サックス・インターナショナルに入社する前の1990年代のデリバティブ契約の承認における同氏の役割についての ECB の認識について、同行の広報担当者はコメントを控えた。


もう一度、驚きの要素はゼロである。 非常に高い可能性で、それは全て絨毯のしたへ掃き込まれるであろう。 主要な事は、結局イタリアの国民が適切に弾圧され、同国の混乱に対して実際に責任を持つ者達を追求しない様に保つ事なのである。

揺らいでいる政府

最後に、話は変わって元首相のベルルスコーニに対する訴追の成立という大きな驚きがあった。 彼は丁度3回連続で有罪判決を受け、今回は「セックスの為に未成年者へ金を渡した」と伝えられている。

勿論ベルルスコーニ自身は、今起きている事が政治的な魔女狩りであるという立場を取っている。 彼が彼の経歴においてあらゆる種類の法的に怪しい事を行ったというのは恐らく真実であろう - さもなくば、高い税金の規制がある民主主義体制において億万長者のメディア王となるだけで無く、どうしてイタリアの首相になる事ができたであろうか?。 近代の「自由な」経済的暴政の規則及び規制を実際に100%順守する者は誰も、その様に巨大な資産を貯め込む事を決して望む事ができないのである。 しかし、それは恐らくベルルスコーニが同じ様な立場にいる他の者達とあまり変わらないという事を意味しているのだ。 その意味において、彼は恐らく正しい:EU 内部の強力な力が彼を排除したいと望んでいるという事実が無いのであれば、単純に彼は上手くいかないであろう。 ベルルスコーニは、モンティの所謂(いわゆる)「改革」の最悪な行き過ぎを巻き戻したいと望んでいる事に注意して欲しい。 それ故彼は、社会主義者達の超国家の側にとっての苦痛の種である - EU の中央集権化プロジェクトにとって危険であると見られているのだ。 ここに、有罪判決に関するブルームバーグの記事からの二つの短い引用がある。:

判決は「政治の場からベルルスコーニ首相を排除するという意図を立証している」と、上院議員でベルルスコーニの広報担当であるパオロ・ボナイウティは電子メールによる声明の中で述べた。
[...]
70歳を超える被有罪宣告者に対するイタリアの柔軟な判決及び猶予を考慮すると、ベルルスコーニの審理は、彼の自由に対してよりも、彼の政治キャリアに対して更に大きな脅威を課しているかもしれない。


(強調追加)

動機やベルルスコーニが有罪か無罪かという疑問に関係無く、新たな改革の施策を導入する事が更に困難であると連立政府が気付く事が、直近の影響となるであろう。 レッタ首相の最新の計画はベルルスコーニの正当の支持を必要としているのだ。 ある観察者が述べた様に:

「レッタは、彼の船を航路上に維持すべく非常に厳しい戦いを強いられる事になります。」と、ローマにあるアメリカン大学の教授ジェームズ・ウォルストンは語った。 判決は「ベルルスコーニの支持者達全てを更に興奮させて怒らせ、彼等は全く無関係な問題に関してもっと気難しくなろうとしている。」


不和の種の一つは、ベルルスコーニが反対する VAT の増額というレッタの計画である。 殆どのオブザーバー達は連立が再び分裂してしまうという事が直ちに起きそであるとは考えていないものの、その可能性はあるのだ。 その場合、新たな選挙が実施されねばならなくなる。

そうしている間にも、ミラノ株式指数(MIB)も最近はかなり揺らいでいる様に見える:



actingman_20130628_02.gif


ミラノの MIB 指数 - 52週間ぶりの安値へと戻り、その道程における重要なサポートの水準を試している。


結論:

イタリアは間も無く、16ページ目から1ページ目へと戻るであろう。 それは、彼等の巨大な債務残高(イタリア政府の債務の蓄積は世界第3位である)を考慮するならば、ユーロ圏の最も懸念される問題のままであるのだ。 イタリアに焦点を当てた危機の新たな再燃は、ユーロ官僚にとって最も酷い悪夢なのである。 それが起きるというのは良い賭けであり、それは非常に都合の悪い瞬間に起きるであろう。 今現在、ドイツの選挙の前に何も不都合な事が起きないようにと誰もが願い、祈っているのだが、- 市場もその様な願いに従っているかという事を誰も知らないのである。 もしも国際的な債券市場における最近の大虐殺が続く場合、イタリアの債務問題が激しくなって表面化する事を防ぎ得るものは何も無いのだ。


Charts by: BigCharts




関連情報:
イタリアの守備は破られる
独 vs 伊の行方

異変を探る緊急会議


次回に続く...


追記:
暫く鳴りを潜めていたものの、又候(またぞろ)「自らが作成したかの如く」本稿に掲載した記事を転用する習癖が出てきた様です。 適当な文節として”イタリアを覆って集まる暗雲”という文言をサーチエンジンで検索してみると...。

昨年まで再三に亘って指摘してきたのですが、本稿の「盗用」を繰り返していた方はブログのタイトルを変更し(以前のブログは廃止された?)、改めて本稿の記事を「自ら作成したかの如く」新たなブログに掲載している様です。 今回も文章の文言を多少変更するという小細工を弄しているようですが、浅ましさという人品の卑しさは(ブログの体裁を変えようとも)変わらないのでしょうね。

関連記事:
何か大変な事が起きるぞ






関連記事

公正妥当と認められず

相変わらず市場関係者達は、FRB の出口戦略について様々な議論を交わしている様です。

しかし、バーナンキ他の当事者達が公言しているとおり、性急に債権購入額を減らす事は無いだろうと思うのです。 ましてや金利を引き上げ、バランス・シートを縮小すべく保有債権を売却する事も当面の間は不可能だと思うのです。

ひょっとすると、将来的にも償還期限前に保有債権を売却する事はできないかもしれません。 もしかすると、償還期限を待たずに債務者達がデフォルトしてしまうかもしれません。



The Fed's accounting magic makes mark to market losses disappear
FRB の会計のマジックが市場価格での損失を消滅させている


我々は、過去2-3週間における急激な債券の調整によって連邦準備制度理事会が経験している彼等の保有証券の損失に関連した多数の疑問を抱きつつある。 損失はどれ程大きく、中央銀行の資本から米国財務省の歳入への分配まで、それが如何に全ての事へ影響するのだろうか?。 その答えは、FRB が保有する$3.2兆の証券の市場価格における損失が巨額である(ここに全てのポートフォリオの詳細がある)一方、それは FRB がポートフォリオを売却し始めない限り同銀行の財務報告書に決して記録される事が無い、という事である。 現在の所、彼等がそうする計画は無い。

通常、米国の民間企業は彼等の財務報告に関して「一般に公正妥当と認められた会計原則」(GAAP)に従う一方、連邦準備制度はそうで無いのだ。 その代わり、彼等の財務は、FRB だけの為の会計規則である -「連邦準備制度の為の財務会計マニュアル」を使用して備えられているのである。 そして、保有する証券の事になると、会計の手法は「公正価格」というよりも「定額償却」となるのである。

soberlook_20130625.png
FRB:- 財務会計マニュアルにおける会計原則及び慣行と GAAP の間の主な違いは、全ての「公開市場口座システム」上に保有されている証券の表示が、GAAP によって要求されている公正価格での表示では無く、譲渡された時点の費用である事である。 財務省証券、政府支援企業(GSE)債務証券、連邦機関及び GSE の住宅ローン担保証券、そして、SOMA[System Open Market Account Holdings(公開市場口座システム上の保有資産)]を含んでいる外貨建ての投資が、GAAP によって求められている決済日に基づくものでは無く取得原価で費用が記録されている。 財務省証券、GSE 債務証券、そして外国政府の債務証券のコストは、プレミアムの償却又は定額法に基づくディスカウントの積算によって調整される。 金融政策を実施するという同システムの特殊な責任に鑑み、償却コストは連銀の証券保有高をより適切に反映する。 これらの証券を譲渡日に基づいて会計処理する事は、銀行システム内の準備金の量に関する取り引きのタイミングの影響をより適切に反映する。 保有証券に対する公正価格を用いた算定の適用は彼等の簿価を大きく上回る又は下回るかもしれないが、これらの未だ実現されていない価値の変化は、銀行システムに対して用いる事のできる準備金の量、又は将来の連銀の収益或いは資本の見通しに直接的な影響を一切持たない。 SOMA ポートフォリオにおける国内及び国外の要素の何れも、保有分が満期以前に売却された時に利益又は損失という結果になる取り引きを伴うかもしれない。 購入や売却を含め、証券や外国為替に関する意思決定は、利益では無く金融政策の目的によって動機付けられるものである。 従って、公正価格、収益、そして、その様な証券及び通貨の売却から生じる利益又は損失も公開市場操作に付随的なものであり、政策又は公開市場操作に関連する意思決定を動機付けるものでは無い。

これが如何に機能するかという概略が此処にある。 もしも3%のクーポンが付いた10年物国債を$105で FRB が購入した場合、彼等はクーポンに対して毎年$3の利益を得、毎年50セント(10年間で償却される$5のプレミアム)の損失を被ると記録するのである。 従って、彼等はこの国債に対し毎年(運用経費よりも少ない)$2.5の配当金を米国財務省へ支払う事になるのだ。 もしも FRB が同じ国債を、例えば$95という具合に、ディスカウント価格で購入した場合、$5の割引きが10年間付帯するので、年間の純利益は$3.5となるのである。

そして、もしも FRB の債券購入が元々$105という価格であり、現時点で(国債の市場価格が)$99となっている場合、FRB は「公正価格」会計の下で$3の損失($3のクーポン - $6の対市場価格の損失)を報告するのでは無く、今年の収益として$2.5を記録する事になるのである。 債券が売却されない(又はデフォルトしない)限り、その損失は彼等の財務諸表に決して現れないのである。 それが、連邦準備制度の一部である特権なのだ。



以前から予備機(linux)の電源ユニットの制御機能が不安定だったので、久しぶりにOSをアップグレードしたのです。

使用しているのが米国仕様のH/Wなので言語設定にちょっと苦労しましたけど、新しいOS(Fedora 18)は快適な利用環境を提供してくれているので、本稿も新OS上で作成してみたのです。


次回に続く...



関連記事

イタリアの守備は破られる

(追記3:23:05)
(追記2:22:35)
(追記:21:40)
何とか成立した連立政権も不安定な状況にあるイタリアでは、ゴシップ記事のネタが絶えないのです。

YOMIURI ONLINE より
ベルルスコーニ元首相、未成年買春で有罪判決
 【ローマ=青木佐知子】ANSA通信によると、イタリア・ミラノ地裁は24日、当時17歳の少女を買春したとして未成年買春罪や職権乱用罪に問われたベルルスコーニ元首相(76)に対し、禁錮7年と公職の終身停止(求刑・禁錮6年、公職の終身停止)の有罪判決を言い渡した。

 弁護側は控訴する方針。

低俗な醜聞に慣れているとは云え、イタリアの皆さんもさぞ呆れている事でしょうが、もっと重大な問題に関心を向けた方が良いと思うのです。



Italy could need EU rescue within six months, warns Mediobanca
イタリアは6ヶ月以内に救済を必要とするかもしれないとメディオバンカが警告している


イタリアが更に深い経済危機へと落ち込んで信用収縮が大手企業へ拡がっている為、同国は6ヶ月以内にEUの救済を必要としそうであると、イタリアの大手銀行が私的に警告した。

Telegraph_20130624_Italy.jpg
The report compared the Italian crisis with when the country was blown out of the Exchange Rate Mechanism in 1992 despite drastic austerity measures

全世界的な債権の総崩れが2週目へと継続し、借り入れコストを押し上げている為、イタリア第2の大手銀行であるメディオバンカのイタリアに対する「支払い可能性リスク指標」は既に警告サインを点滅させていたと、同行は語った。

「時間は急速に使い果たされつつあります」と、メディオバンカのトップ・アナリストであるアントニオ・ググリエルミは、顧客向けの極秘文書の中で述べたのだ。 「前四半期におけるイタリアのマクロ的な状況は改善しておらず、寧(むし)ろ反対です。 今や、イタリア国内の160程の大手企業は特別な危機管理状態にあります。」

低い借り入れコスト及び広範囲な回復を頼りと出来ない限り、今後6ヶ月間でイタリアは「必然的にEUの救済要請という形で終わる」事になるだろうと、同報告書は警告したのである。

事態の重大さを強調しつつ、思い切った緊縮策にも拘わらず1992年に同国が為替相場メカニズムによって吹き飛ばされた時と(現在の)危機を同報告書は比較したのだ。

イタリアの€2.1兆(£1.8兆)の債務は、米国及び日本に次いで世界で3番目に大きいのである。 その債券市場における如何なるストレスも、ユーロ圏の危機を再燃させる脅威となるのだ。 これは、米国の FRB がドルを排出し始める事になると先週に通知した後で、既に始まったのかもしれない。

イタリアの10年物利回りは4.8%へ急上昇し、FRB が5月に彼等の言葉を強め始めた以降で100ベーシス・ポイント上がったのである。 しかし、同時に迎える償還期限が近付いている短期債券(BOT)と長期債券(BTP)の利回りにおいて現れたギャップについて、メディオバンカは特に懸念しているのだ。 7月31日に期限を迎える BTP が0.74%で取り引きされている一方、(償還期限が)同じ BOT の利回りは0.48である。 その理由は、BOT が債務再編から守られているからである。

「国債は決してヘアーカットされませんので、ポジションが搾られるに従い人々は代替手段として国債から逃れているのです。」と、ある市中のトレーダーが語った。

安全な避難先であるスイスやドイツの国債も又、総崩れの中で急激に売却されており、「先細りのテロ」がユーロ圏の投資家達を彼等の自己満足から目覚めさせているのだと、ソブリン債ストラテジストのニコラス・スピロは語った。 10年物英国債の利回りは2年ぶりの高さとなる2.53%で取り引きを終えたのだ。

利回りはスペインで5.1%、ポルトガルで6.7%とパンチを食らわした。 これは、これらの国々における社債市場を通じて2次的な衝撃波を送っており、回復を締め付けているのである。

「これを相殺すべく欧州中央銀行は非常に積極的な措置を講じる必要があります」と、ジェフリーズ・フィックスド・インカムのマルチェル・アレクサンドロヴィッチは語った。 「世界中で売りが起きているのです。 もしも ECB が行動しなければ、過去9ヶ月の全ての利益が2週間で消滅し、ユーロ圏を振り出しへ戻すのを目にするかもしれません。」

ECB は既に、地中海クラブ圏における中小企業への与信を操縦する為の初期の計画から後退したのである。 イタリア銀行協会は、銀行同盟に関するユーロ圏の協議の最新の分裂に激しく失望したと語り、それはイタリアの貸し手達を信頼危機の為すがままにすると警告している。

FRB の引き締めが世界的な流動性の変曲点を刻んだ事により、世界は「危険な場所」になったと RBS のアンドリュー・ロバーツは語った。

「中央銀行の刺激策が愛しいキャリー・トレードを供給し、上げ潮は全ての船を持ち上げましたが、残念な事に、その逆も真なのです。」と彼は語った。 「現在、世界の金融における一般化した資産のメルトダウンの明らかな兆候があるのです。」

昨年、FRB、日本銀行、中国の中央銀行、その他は、$2兆の AAA 債券発行量のほぼ全てを購入したと、バークレイズのジュリアン・キャロウは語った。 この効果は、銀行、保険会社、そして年金基金をユーロ圏周辺国の様な更にリスクのある資産へと駆り立てたのである。 これはユーロ圏を支え、腐りつつある問題をカモフラージュする助けとなったのだ。 「引き締めへと向かう FRB の変化は非常に重大であり、実質利回りにおける非常に劇的な上昇を引き起こしているのです。」と彼は語った。

5%の借り入れコストはスペイン及びイタリアを足腰の立たない状態にする事が証明されるであろうが、何れの国も名目 GDP の縮小に苦しんでいるのである。

イタリアにおける暴発の引き金は、スロベニアに対する救済の危機、又はイタリアのビジネスと密接に関係しているアルゼンチンでの出来事の不愉快な変化かもしれないと、メディオバンカは語った。 「新たなデフォルトがありそうなので、特にアルゼンチンが私達を心配させているのです。」

可処分所得が9%低下し、住宅販売が1985年の水準へ落ち込んだ一方、イタリアの工業生産は過去10年間にピーク時から25%も低迷していると、ググリエルミ氏は語った。

1992年の危機は大幅な切り下げによって鎮められ、イタリアが貿易の競争力を一挙に回復させる事となった。 メディオバンカは述べた:「今日(こんにち)、ユーロの拘束は明らかに同じ様な通貨の柔軟性を提供してくれていません。 リラの切り下げによりイタリアは債務の帳消しに成功したが、今日(こんにち)ではそれも実行が不可能である。 危機以前の生産の水準へ戻すには10年以上を要するかもしれない。



「検察側によると、元首相は2010年、この少女に450万ユーロ(約6億円)以上を支払い、性的関係を持ったほか...」と、冒頭の記事は続いているのですが、この金額の妥当性について争われる事は無いのでしょうか?。


次回に続く...


追記:
本日の上海総合株価指数は取引開始後に5%下落したものの、午後には5%急上昇して取り引きを終えました。 Zero Hedge によると、この急上昇の背景には「PBoC(中国人民銀行)による流動性の注入が間も無く行われる」との噂があったものの、それが「噂」であると判明した後にも上昇分が戻る事は無かったという事ですね。(Rumor Ex Machina Sticksaves Futures) 同記事において Tyler Durden は、スペイン及びイタリアの政府が実施した国債入札の結果についても手厳しく指摘しているのです。

 スペイン:3ヶ月物(0.869%)+9ヶ月物(1.441%)=合計30億ユーロ  [前月の入札では各々(0.331%)、(0.789%)]
 イタリア:ゼロ・クーポン2年物(2.403%)  [5月28日の入札では(1.114%)]

いつもの様に、一つのボールが転がる方向へ皆が駆け出す「小学生のサッカー」の如く、本邦の大手馬鹿メディアの皆さんは漸く中国の流動性の問題を報道し始めている様ですが、別の場所で別の問題が顕在化しつつあるのかもしれません。

既にボールはイタリア陣内の奥深くへ蹴り込まれ、ドラギ・プットの給水を得ながら何とか投機筋の猛攻を凌いでいた防御陣のオフサイド・トラップが既に破られたのかもしれませんよ。


追記2:
中国人民銀行は「市場に流動性を供給した」との(異例の)声明を発表した様ですね。 前述の Zero Hedge の記事で「噂」と表現されていたのは「事実」だった様です(Tyler Durden は常にネガティブなバイアスを持っていますからね)。 尤(もっと)も、何時、どの程度の流動性を供給したのかという事について、人民銀行は詳細を明らかにしていない様ですけど。


追記3:
Tyler Durden は上の A.E-Pritchard の記事も引用していますね。

 "Time Is Running Out Fast" For Italy
 (イタリアにとって「時間は急速に使い果たされつつある」)





関連記事
最新記事
カテゴリ
カレンダー
05 | 2013/06 | 07
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
月別アーカイブ
最新コメント
プロフィール

precursor

Author:precursor
憂いあれど備えなし!

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク