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休暇中は平穏に(1/2)

「危機は脱した」との詭弁を残して政策立案者達が早々と休暇モードに入ってしまった為なのか、未解決な問題が放置されたままの欧州では表面的に平穏な状態が続いているようです。



How long can Draghi’s bond-buying bluff hold?
どのくらい長くドラギの債券購入のハッタリが通用するのか?


資本主義銀行システムは、人々が何時でも自分達のマネーを取り戻す事は可能であるという信頼のトリックの上で成り立っているのだが、もしも誰もが一度に自分達のマネーを求めた場合、金融システムは崩壊してしまうので、誰も何も得る事ができないのである。

ユーロ圏は、より脆(もろ)いハッタリによって一つにまとまっているのだ。 これは、昨年9月に発表された欧州中央銀行の「アウトライト・マネタリー・トランザクション」スキームである。 そのスキームは、困窮した国家の債券を無制限に購入する事を誓うものであり、ユーロを救う為に ECB は「できる事を何でも行う」というマリオ・ドラギの2ヶ月前のコメントを補強すべく、彼が作り出した計画である。

ドラギのスキームは中央銀行としての ECB の欠点を取り繕っているので、これまでのところ、それはユーロ圏危機に対する絶妙な措置であった。 それは特に、政府債務の資金を供給する為に際限無くマネーを印刷する事又は債券に対して支払う事を意味する、政府への最後の貸し手として ECB が行動する事の禁止条項を回避しているのである。 これは、深く絡み合った銀行と政府にとって、銀行システムを安定化させる為に中央銀行が持っている本質的な緊急対応力なのである。 ドラギのスキームは、ユーロ圏のマネー・サプライの水準を維持すべく問題を抱えていない国々の債券を売却する事で債券購入を相殺する(又は不胎化する)という約束により、この禁止事項を回避するのである。

ドラギの策略は、(周縁国における与信の獲得及び経済の活性化には失敗したものの)如何なる対象国もそれを要請しなかったという点で成功したハッタリであった。 問題を抱えた欧州の国々の債券利回りは、同スキームが発表された時にパニック的な水準から下落し、それ以来管理可能な水準に留まっており、「ポジティブな感染」とドラギが称賛した効果なのである。 それは殆ど、債券投資家達や投機家達が ECB に対して無力であると考える様なものである。 しかし、同スキームには限界がある為、彼等の多くを威嚇する事に失敗した場合、彼等はそう考えないのだ。 困窮する政府の債務の利回りに上限を設ける ECB の能力に投資家達が疑問を抱き、これらの債券の購入を彼等が躊躇する場合、そのスキームは沈み込むのである。 これらの状況が生じた場合、債券投資家達は、ECB の能力を超えたユーロへの信仰を守る為に必要な債券購入へ圧力を加える事になるであろう。

ドラギの自信のトリックは今年試されたのだが、未だ債券投資家達及び受益者達はその執行に対する疑念のサインを示さなかったのだ。 懸念は、同スキームが他の痛みに耐えられ、発動された場合に単独で意図したように機能するかという事である。 更なる、そして更に大きなテストがやって来ているのだ。

条件付き援助

ドラギの策略に対する最初の試練は、2月に行なわれた結論の出ないイタリアの選挙が同国を2ヶ月間の無政府状態に放置した後で起きた。 ドラギのスキームは、欧州の救済ファンドである欧州安定化メカニズムからの助けを求めねばならない国にとって、- 要件を満たすべく緊縮策及び自由市場の改革の実施に政府が同意した場合にのみ発動されるのである。 この取引において、政府が存在しないという事を誰が想像したであろうか?。 云わばイタリアの存続可能性という意味において持続不可能な水準へイタリア国債の利回りを投資家達及び日和見主義者達が押し上げていたならば、ECB は行動する上で無力だったのだ。 しかし、投資家達及びトレーダー達は無頓着なままであった。

ドラギのスキームに付帯する自己破壊的な側面は、これらの緊縮策の要件がイタリアの様な国を始末に終えない道筋の最前列に押しやってしまう毒だという事である。 イタリアの債権者達が2011年に首相としてマリオ・モンティを任命した後に課された支出の削減及び増税は、同国の政治的空白状態へと繋がる分裂の方向へ有権者達を後押ししたのだ。 ドラギのスキームを発動する為に更なる緊縮策が課される場合、一国の政治的安定性が試される事となるのである。 如何なる政治的争いも、より高い債券利回りが更なる中央銀行の債券購入を要求し、それが更なる緊縮策を強いる事となり、それが公的財政を傷め、利回りを押し上げ、という具合に続く下方スパイラルを誘発するのだ。

この底無しの捻じれの初期段階にいるポルトガルは、同国が2011年に受け入れたEU主導の救済に結びつけられた緊縮策に有権者達がウンザリしている事で政府が崩壊寸前だった6月に、正(まさ)しくドラギのスキームに関わる新たな問題を露呈したのである。 ポルトガルの国際利回りは急上昇したのであるが、ドラギのスキームは国債を売却できないEUの国々をカバーしていない為、ECB は支援する上で無力だったのだ。 この落とし穴は、政府を存続可能な状態に維持する事になる水準へ利回りを押し下げる事で救済された国々が債券市場へ再参入する事を助ける能力を ECB が有していないという事を意味するのである。 従って、ポルトガルの政治的トラブルが根強い場合、同国は第2の救済を必要とするようになる可能性が高いのである。 これは、欧州の救済マネーのプールから更に排出し、ポルトガルに更なる緊縮策の痛みを負わせる事になるだけなのだ。

裁判所との争い

ドラギのスキームの信頼性に対する第3の(そして恐らく最大の)テストは、如何なる債券購入にもドイツが加担するのを止めさせるよう、左派政党の様な政治集団を含むドイツ人が、ドイツの連邦憲法裁判所で法的な訴訟を提起した6月の初旬に発生したのである。 ドラギの策略への反対者達は、未だ使用されていない ECB の力が、中央銀行による政府へのファイナンスを禁じるEUの規則及び、官僚では無く政治家達が政治的な決定を行う権限を付与されている)民主主義の憲法上の原則に違反すると主張したのだ。 ドイツ政府は訴えに反論し、ECB 内の二人の最も強力なドイツ人メンバーが同スキームの合法性の証人として衝突したというメディアの報道が投資家達に伝えられたのである。

提案されている中央銀行の債券購入は財政及び金融の政策(他の言い方では、財政政策を通じて実施されるマネー印刷)を暈(ぼか)し、選挙で任命された当局者達の責任を侵害すると、ドイツ連邦銀行の総裁で ECB の政策委員会のメンバーでもあるイェンス・ヴァイトマンは語った。 債券がセカンダリ市場で購入できるようになる前の待機期間というような安全対策は、同スキームが中央銀行による政府へのファイナンスへと変わる事を防止すると語った ECB 理事会のドイツ人メンバーであるヨルグ・アスムッセンによって、ドラギのスキームは擁護されたのだ。

未だ使われていないドラギの道具の魔術的なところは、これらの全てであるという事である。 ドイツの憲法裁判所が同スキームを無効にする力を持っていない一方、ドイツ連邦銀行が債券購入に加わる事を防ぐ事によってそれを効果的に無力化する事が可能なのだ。 同裁判所がドラギのスキームを覆すとは予想されていない - 裁判官達は通常、政治家達がこれらを判定する事を賢明に申し出て、甚大な政治的結果をもたらす判断を回避するのである。



上の記事で述べられているのと同様な内容の記事について、「制限された無制限」という以前の稿でも確認した事があります。

6月初旬に「ECB の OMT はドイツ憲法に違反する」との訴訟が起こされた直後の口頭弁論で、既にドラギ・マジックの実効性を疑わせる情報が開示されたにも拘わらず、今日(こんにち)まで為政者達は口を噤(つぐ)んだままなのです。 この様なインチキを糾弾すべき大手馬鹿メディアの皆さんも沈黙したままなのです。 皆さん、揃ってバカンスを楽しんでいるのでしょうか?。


次回に続く...



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