FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

もう印刷を止めろ

私が頻繁に参照しているサイトで経済関連記事を執筆している人々は、政策立案者と呼ばれる為政者達に対して批判的な姿勢を持っているのです。 しかし、IMF や FRB 等の為政者同士が互いを批判する場合、一方の主張を支持する事は新たな批判を招く事となるのですよ。

本稿では E-Pritchard が執筆する Telegraph の記事を度々引用していますが、彼の主張に異を唱える人もいるのです。



Tapering Paranoia: Print On, Dudes!
先細りのパラノイア:印刷し続けろ、野郎共!


短気なアンブローズ・エヴァンス - プリチャード(AEP)は、IMF 讃歌の譜面で歌唱する。

デフレ的な不況が我々の船を沈めてしまわないよう中央銀行は我々を涅槃の境地へ誘うべく印刷すべきだと考えている AEP は、ここのところ、すっかり先細りのパラノイアに憑りつかれている(これは未だ臨床的な状態だと認識されている訳では無い;もう少し様子を見よう)。 先ず、彼は公けに新興市場について恐れており、その幾つかは返済危機の転換期に位置するものである。 見てみよう:FRB のマネー印刷が不均衡を助長していると見られる時、これは、これらの国々に不要な負の影響の一つだったというコンセンサスが出てきた。 彼等自身がそう言い続けているのだが、暫くする内に彼等の口調は勿論変わったのである(以前の「QE」批判の声の主であった中国でさえ、直ちに印刷スイッチを離さないようにと FRB へ今や「警告」しているのだ)。

現在 AEP は、次の段階の問題に先立って米国の「QE」の先細りを非難する類の、ユーロ圏に関する最新の IMF の報告書に関して報告している。 もしも IMF がそう述べているのならば、それは真実に違いない、だろ?。


米国における新たな引き締めサイクルが既にユーロ圏への大きな余波に繋がっており、債権利回りを軒並み押し上げていると、同報告書は警告した。
FRB による早期の先細りは「追加的で、助けとはならない、ユーロ圏内の借り入れコストの循環指向の増加を引き起こすかもしれない。 これは更に、金融政策の導入を複雑なものとし、地域全体の需要と成長へ潜在的なダメージを与える可能性がある。 金融市場のストレスも即座に再燃する」と、同報告書は述べた。
「悪循環が始まる事」を防ぐ為に、理想的には金利の引き下げ、マイナス預金金利の導入、そして特定領域の民間資産の購入によって、欧州中央銀行は対抗措置を講じる必要があると、同基金は述べた。
如何なる資金を調達するのにも非常に苦労している小規模企業を抱え、企業にとっての借り入れコストがドイツにおけるそれよりも200から300ベーシス・ポイント高いスペイン、イタリア、そしてポルトガルで深刻化している貸し出しの逼迫を緩和すべく、彼等は「信用緩和」政策を立ち上げるべきである。 米国において FRB が引き締めを強める程、これを欧州の当局者達は他の形の刺激策で相殺する事が必要になると、IMF は述べたのだ。



(強調追加)

AEP はアングロ・サクソン的な中央銀行社会主義に執着しているので、彼は恐らくこの種の助言を認めるのだろう。 彼はユーロ圏における M3 の伸び率について心配しているが、ユーロ圏における最近の真の伸びは前年比8%であり、この一年間にとても速いペースでマネーが創り出されていたのだ。

何れにしても、我々は IMF から発せられる経済的分析や助言を無視する事が殆ど義務であると考える傾向があるのだ。 IMF の報告書について AEP は更に続ける:

「特に周辺諸国において、停滞のリスクがある。 その様な結果は、周辺諸国を債務デフレのスパイラルへ押しやる可能性がある」と、彼等は述べた。
同報告書は、初期の頃の欧州通貨同盟の途方も無い与信ブームを巻き戻すには数年を要するかもしれないと述べている。
 「歴史的に、殆ど全ての家計債務の積み上げは反転する傾向がある。 しかしユーロ圏においては債務対 GDP 比の低下が漸く始まったばかりであり、ブームはもっと顕著だったのである。」


(強調追加)

両方のやり方を踏襲する事はできないという事を、これらの人々へ誰かが教えるべきである。 「債務のレバレッジ解消」が起きようとしているにせよ、又はそうでないにせよ。 彼等の推奨は全て、「途方も無い与信ブーム」の期間中に創り出された不健全な信用を維持する事を目的とし、それが永続するよう十分に支持する事なのだ。


カーメン・ラインハート:国家統制主義者という美点への回帰

ハーバードのカーメン・ラインハート(嘗て彼女は IMF のチーフ・エコノミストであり、従って本質的な特権階級としての資格を十分に備えている)は最近、一旦増え過ぎてしまった場合に経済を疎外する国家債務と方向についてケネス・ロゴフと共同執筆した論文に関し、ポール・クルーグマンと非常に公けな喧嘩を行った。 それが既に如何に高いものであるかという事と殆ど関係なく(大統領が共和党でない限り、その場合には赤字支出が悪で「財政の狂気」の経験が無い)政府には赤字支出を増やして欲しいとクルーグマン氏は願っているので、幾つかのスプレッド・シートの間違いの発見を受けてその論文及び著者を激しく攻撃する機会を味わったのである。

経済理論を懸念する問題は統計情報を呼び起こす事で解決される可能性が無い為、全体的な喧嘩は完全に無関係な質問を中心に展開された。 適切な質問というのは常に「その問題について経済理論は何を語らねばならないか」という事であり、「経済史の統計数値が何を語っているか」という事では無いのだ。 世界的に有名なその数字と広く尊敬されている経済学者達は、その殆どを近代の主流経済学が自らの中に見出した袋小路を確認するだけの議論の、本質的なこの側面に沿って進んだのである。

何れにしても、ラインハート夫人が FRB への彼女の最新の勧告と共に全ての類の国家統制主義者達に勝利する事は確かであり、それ(彼女の勧告)は次の様に要約される:印刷し続けなさい!。

9月に予想される債券購入の先細りが新興市場の売りを深刻化させる事になるとの恐怖が増大する中、長引く米国のレバレッジ解消サイクルとインフレ及び成長に対する下向きのリスクを考慮し、FRB は彼等の量的緩和プログラムを継続すべきであると、ハーバードの経済学教授であるカーメン・ラインハートは警告する。
市場が予想する様に、もしも彼等の債券購入プログラムの先細りを9月に始める場合、FRB は大きな政策的間違いを犯すリスクがあると、米国の一般家庭及び財政バランスシートの頑固な未修復、そして成長に対する逆風を引用しながら、- ハーバードの経済学教授で債務サイクルに関する世界の第一級の専門家の一人である - カーメン・ラインハートは警告する。
[...]
ユーロマネーによるインタビューの中で、ラインハートは警告している:「我々は依然として米国内で耐えねばならない相当な量のレバレッジ解消を抱えており、世界中の課題、特に欧州におけるそれは、解決した状態から程遠いのです。」 FRB の二つの義務である雇用及び物価安定相対的な重要性について訊ねられ、これらの目的が「相反する事はほぼ在り得ない」とラインハートは述べている。 「どこかの時点で、FRB の政策上の義務は彼等がトレードオフを考慮するようになる事を余儀無くさせるでしょうが、未だその時では無いと思います」と彼女は述べている。 「周期的に現時点で、インフレはどこにあるのでしょう?。」
[...]
「現時点で、刺激策の撤収は時期尚早です。 弱いインフレ及び芳しく無い失業という状況において、私達は良好な経済ニュースを最近目にしてきたのですが、回復は弱いのです。」 「そして、住宅の様に手助けすべきと FRB が選んだ分野においては僅かな回復があるものの、ケース・シラー指数[米国の住宅価格に関するベンチマーク指標]は依然としてピークを下回っており、私達は回復という面において不十分なのです。」
FRB の緩和的な姿勢で誘発された金融バブルの見通しを彼等の政策上の計算において考慮すべきか否かについて問われ、米国の中央銀行が雇用及び価格安定という目的から外れる自らの義務について考えるという前例は無い、とラインハートは述べている。 「最近の危機の為、人々は無理からぬ事ながら以前よりもバブルを意識しています」と彼女は言う。 「FRB は自らの目標として成長及び雇用に焦点を当て続けるべきだというコンセンサスがあり、彼等はバブルを破裂させた歴史を持っていません。 何故これを変えるべきなのか、私には理解できません。」


(強調追加)

FRB の「政策ミス」のリストはメトセラの髭よりも長く、それは絶対に確かなのだが、金融のアクセル・ペダルを緩める事は、決してそのリストに含まれていなかったのだ。

ラインハート夫人には見る事のできないインフレがここにある:



actingman_20130903_01.png

2008年以降の米国の稿は蜷マネー・サプライ TMS-2 - セントルイス連銀より - クリックで拡大。



勿論、この場合、インフレの多くの影響の一つを「測る」とされる指標の CPI を集計上の消費財価格として彼女が参照しているという事を我々は認識している。 その様な測定が不可能である事はさておき、インフレとその影響の間のこの語義上の混乱についての最大の問題は、この文脈において人々が物事について話し続けている事はそれ程重要で無いという事である。

CPI が懸念されている価格の上昇を示すまでどの程度の時間を要するのかという事については、確信を持って言う事ができない。 この点について合理的に確実となり得るのは、それが最近において計算される方法について考慮するならば、その時間差が通常よりも長くさえあるだろうという事である。 しかし、それは、金融的なインフレが既に経済における価格と歪められた相対的価格のプロセスへ影響していると疑い無く述べる事ができるのだ。 それは実際に問題の核心なのである、

そして、住宅価格が依然としてバブル時のピークを下回っているという事は問題なのだろうか?。 もしそうであったとしても、殆ど全ての不動産専門家にとって確認する用意ができている様に、それ(現在の住宅価格)は、初めて住宅を購入する者達にとって全く手の届かないものなのである。 何故、持続不可能なバブルのピーク価格は、価格が「適正な水準」であるか否かという事をラインハート夫人が判断する規準となるのであろうか?。 住居用住宅としては米国の歴史における最も極端なバブルの価格にもう一度達した時にのみ、我々は「回復という面において十分」なのだろうか?。 これは本当に奇妙な事を語るものだ。

そう、それは真実なのだ:過ちによるものを除き、FRB はバブルを弾けさせた歴史を有していない。 しかし、彼等はそれ(バブル)を膨らませる歴史を持っているのだ。 それは彼等の義務の一部でも無いが、それが設立されて以来、それを彼等は増々行っているのである。 最終的に、経済にとって何が適切な金利で何が適切なマネー・サプライの大きさであるかを一握りの中央の政策立案者達が決定するという考えは、全く馬鹿げたものである。

事実、それは正に、住宅の「適正な価格」を知っているというラインハート夫人の主張と同じ様に馬鹿げた事なのだ。 政策立案者達と彼等の弁明人達は、市場よりも彼等の方が良く知っていると全く信じているのかもしれないが、この考えは健全な経済に公然と反するものなのである。 特に中央銀行の歴史は、少なくとも一般人の視点からは、定常的な失敗の歴史なのだ。 インフレ的な政策から実際に利益を得る特別な利害関係を持つ小さなグループは恐らく異なる考えを持つであろうが、より広い社会的な利益がそこから生じる得る事は恐らく無いのだ。



actingman_20130903_02.png

住宅価格は如何にあるべきかという事をカーメン・ラインハートは我々に示してくれる...




「FRB は性急に QE を縮小すべきでない」という IMF の主張を擁護するかのような E-Pritchard の記事に異を唱える一方、「GDP の90%を超えると国家債務が経済に与えるマイナスの影響が大きくなる」という論文の根拠が否定されて面目を失ったラインハートの主張に対しても批判しているのです。

一見、ヘンテコな批判対象の組み合わせですが、結局のところ Acting Man が主張するのは「お馬鹿なマネー印刷はいい加減に止めろ!」という事なのです。




関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

最新記事
カテゴリ
カレンダー
10 | 2018/11 | 12
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
月別アーカイブ
最新コメント
プロフィール

precursor

Author:precursor
憂いあれど備えなし!

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。