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遠ざかる出口

ここ数日は私的な用事で少し忙しかったのですが、その間にもバーナンキ議長は市場の予想(憶測)を裏切るようにQE縮小の延期を発表しましたね。



Fed recoils from 1937 tightening error as jobs evaporate
雇用が消失している為に FRB は1937年の引き締め策の失敗から後退する


概ね大恐慌の期間に見られた消失の割合に匹敵する347,000の雇用を、アメリカの経済は過去2ヶ月間に喪失させた。 そのような状況において米国連銀が生活支援の段階的廃止を考えてきたはずだという事は特筆すべきである。

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It would be a grave error for the Fed to taper bond purchases at all at this juncture

FRB の厳しい話は既に、米国の住宅ローン及び世界(中国を除く)のベンチマークとなる米国債利回りの140ベーシス・ポイントの上昇に繋がっていたのだ。 それは、金利を6度引き上げたのでもある。

債券購入の先細りを保留するという水曜日の夜の衝撃の決定は、何が明らかであるべきだったかという事についての認識である。 上昇する住宅ローンのコスト及び「財政状況の引き締め」が成長を鈍化させているかもしれないと彼等は述べたのである。 確かに。

夏の間の雇用の純減は完全に男性であり、主に25歳から54歳の年齢で大学卒であった。 55歳以上の集団は伸びたのであるから、これはベビー・ブーム世代が早期で幸福に(引退し)アーカンソー州でメロンを育てる事、又はトーリー・パインズでゴルフを楽しむ事によって起きた事ではないのだ。

7月に労働「参加率」は、1970年代後半以降で最低の水準となる63.2%へ下落した。 失業率は低下してきたのだが、主として非常に多くの人々が希望を棄てて脱落している事によるものなのである。

進化する技術、又は「技能の不一致」、又は一切合財を含む「人口動態」の概念によるという:この、問題が「構造的」であるという理論に執着する事から一部の連銀総裁達は、手を洗いたいと望んでいるように見える。 これの半分が真実であるという事に疑いは無いが、その様な主張は職が不足していた1980年代初頭に作られたものなのである。 失業は「縮小する者達(shrinkers)」として1930年代にシカゴ・トリビューンによって非難されたのだ。

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幸いにも、タカ派達は優勢でなかった。 ジャネット・エーレン副議長が指針として追跡している指標の、増加が加速し始める点である「NAIRU」(non-accelerating inflation rate of unemployment:加速していない失業増加率)という変曲点に失業率が全く近付いていない事を強調しつつ、彼女が重要な役割を演じたように思える。

米国における慢性的な需要不足が、この雇用の低迷の本当の悪役であると、労働の専門家達は述べている。 「問題は労働市場が不振である事で無く:回復が非常に遅いという事です」と、スタンフォードのエドワード・ラジアは述べている。 記録となる米国の家庭の20.2%が今やフードスタンプに頼っているのだ。 それは、彼等が生き延びる方法なのである。

過去3回の四半期における経済成長率は0.1%、1.1%そして2.5%であった。 これは、2四半期平均で2%という - FRB 自身の「失速速度」指標を下回っている。

朝鮮戦争の終了以降で最も厳しい財政引き締め(今年に GDP の2.5%)により経済は風雨に曝され、特筆すべき事としてシェール・ガスに助けられたものの、未だ「脱出速度」ではないのだ。 この財政的な圧搾は続くのである。

GDP の4.6%の「受給ギャップ」を引き合いに出しながら、国際通貨基金は緩和するようワシントンへ助言した。 ダラス連銀によるコア・インフレの測定値は7月に1.2%であった。 QE がなければネガティブとなる点へ広範な M3 の伸びが減速した一方、M1 マネー・サプライの伸びは2年間に減速した。 伝えられているようなインフレの脅威は、熱にうかされた想像による作り話なのである。

既に与信サイクルの反転に直面しているブラジル、インド、トルコ、南アフリカ、インドネシア、ウクライナその他にとってのリスクを考慮するならば、又、QE1 の終わり及び QE2 の終わりで起きた様に、新たなユーロ圏の債務の麻痺の危険性を考慮するならば、この時点で債券購入を先細らせる事は全くの重大な誤りとなるのである。

バーナンキの FRB は、時期尚早な引き締めの世界的な影響に関する判断を既に2度誤っており、何れの場合も数週間以内に信用及び株式の市場の暴落を発生させたのだが、その度に FRB は屈したのだ。 三度目の幸運?。

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雇用又はインフレに何も及ぼしていないという理由により、一部のタカ派達は QE を止める事を望んでいると疑う者もいる。 前 FRB 総裁フレデリック・ミシュキンの論文、「クランチ・タイム」は、2014年まで遅れた場合に FRB が自らを QE から抜け出させるのに苦労することになると警告しているのだ。 利回りが上昇する事により、彼等は$3.6兆の保有債券の損失で溺死するかもしれないのだ。

中でも、彼等の本当の動機は QE が新たな資産バブルを焚き付け、このゲームのリスクが今や効果を上回っている事についての恐れであるように見える。 これは尤もな懸念である。 今週初めにテレグラフが報道した様に、世界の債務構造は嘗てよりも更に危険であると国際決済銀行の元の権威者であるウィリアム・ホワイトは述べているのだ。

「これは私にとって全く2007年の再現であり、更に悪化してさえいるように見えます。 以前の不均衡の全てがそのままなのです。 公的及び民間の債務の合計の水準は、先進諸国において以前よりも GDP の割合として30%高く、私達は新興市場におけるバブルという全く新たな問題を加えたのです。」と彼は語った。

2008‐2009年の壊滅的敗北がやって来るのを水晶玉を通す様に鮮明に見据えていたのがホワイト氏であったという事を忘れよう。 劣後債、「レバレッジを利かせたローン(貴方をからかっているのではない)」、「コーヴ・ライト」融資、「CoCo」、等々への最近の殺到は全て、前回の悪名高い「CDO」や「CLO」の様である。

公共の福祉はバブルを膨らませて毒を除去する為の天文学的な流動性によって最も良く提供されるのか、又はこれが法外に破壊的なものであるのか、という事が疑問である。 この体系を爆破したのは過去の事だと多くの読者は考えている。 この見方に私は非常に共感を覚える。 しかし最後には、私も魔法を好むのだ。

我々の世界的な危機の根源は、新興勢力による$10兆を超える準備金の積み上げであり、中国における膨大な過剰投資であり、そして「ジニ大陸」としての西欧の中での不均衡の極端なレベルがチャートから外れている事なのである。 組み合わされた効果は、余剰な資本、そして消費不足を作り出し、世界的な貯蓄割合を記録的な25%へ押し上げているのだ。 この慢性的な混乱が経済回復を阻害し続けているのである。 それはグローバル化に組み込まれているのだ。

それにしても、その導入によって QE が資産バブルを引き起こしているのであれば、我々は中央銀行の刺激策を更に創造的に展開すべきであり、その必要性は明らかとなるであろう。 我々は、それを如何に行うかを知っている。 その方法は、1930年代初頭に日本を大恐慌から救い出した高橋是清によって開拓されたのである。 彼の輝かしい偉業は今、アベノミクスの下で日本が(密かに)再び行っている事のモデルなのだ。

高橋は日本銀行を財務省の一部門へと転換 - 「財政支配」- し、財政赤字を穴埋めするよう同行へ命令したのである。 どのような方法でも QE を望むとおりに展開できるのだ。 それは、ヘッジ・ファンドの静脈では無く経済の静脈へマネーを注入しつつ、住宅建設に使用する事が可能かもしれない。 独立した FRB 又はバンク・オブ・イングランドが最適と考える目標水準を選びつつ、それを管理する事ができないという理由は無いのである。

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金融サービス局の元局長であるターナー卿は、「前の」赤字を穴埋めしている自らの英国国債のポートフォリオの償却をバンク・オブ・イングランドに止めさせるものは何かと問いつつ、この考えを暫定的に推進している。 これは、カチッとスイッチを入れ、英国の国家債務を管理可能な GDP の67%へ一気に削減する事により実行できるかもしれない。 米国も同じ事をできるかもしれない。

細部に拘る者達は叫ぶであろう。 中央銀行の司祭達は業火と天罰の話をするであろう。 しかし、インフレを伴わずにこの債務を魔法の様に消す事ができるのであれば、反対意見はなくなるのだ。 礼儀作法として、英国国債は有効期限の無いゼロ・クーポン債券へと転換できるかもしれない。 証書はワールド・カップの決勝の最中の日曜日に燃やす事ができるかもしれない。

その様に異例な行動は、厳格な金融政策の面において好ましいものでさえあるかもしれず、回復サイクルの中で更に早く金利を通常の水準へ戻し、預金者達の利益となる。 それは犠牲者の無い犯罪、又は全く犯罪でないものなのだ。

或いは、もしも我々が本当に合理的でありたいと願う場合、我々は、最近になって IMF のヤロミール・べネス及びマイケル・クムホフが復活させた1936年のシカゴ計画の埃を払う事ができるのだ。 1666年の英国の自由貨幣法以前の前スチュアート体制への回帰を彼等は主張しているのである。 これは、無からマネーを創り出す銀行の権限を彼等から引き剥がし、国家によって作られるマネーへ戻る事になるのだ。

貸し手達が預金に対する裏付けとして100%の準備金を積み上げる事を余儀無くされる場合、これは - 複雑な誤魔化しにより -、米国、英国、ドイツ、フランスそして恐らく日本においてさえ、公的債務を消し去るかもしれないと、IMF の論文は主張しているのである。

私のポイントは、ターナー卿の計画、又はシカゴ計画、又は如何なる他の特定の計画を支持する事でなく、もしも経済が依然として必要とするならば、資産バブルの恐怖は金融刺激策を時期尚早に停止する為の適切な理由でないという事なのだ。

FRB 又は米国の政策を立案する支配階級が、これまで自由な発想で考える事を良しとしているのかというのは今後着目すべき事である。 少なくとも、彼等は1937年の時期尚早な引き締めの失敗の繰り返しを避けたのである。 それが我々を新たな長期的低迷の期間へと押し戻す僅かなリスクはある。 我々は弾丸を交わしたのだ。



マネタリストを自称する E-Pritchard なので、経済が安定的な回復軌道に戻るまではマネーを増刷すべしとの主張を繰り返すのも仕方がないのでしょう。 高橋是清の金融政策を礼讃する姿勢も従前どおりです。

しかし、実体経済に殆ど寄与せず、新たな資産バブルの形成を焚き付けている事が明らかとなりつつある状況で緩和的金融政策を継続するのは非常に危険であるように思うのです。

今回のバーナンキ議長の声明から感じられるように、問題を先送りする程、出口が遠のいてしまうように思えるのです。


次回に続く...



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