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石と化す心

市場関係者達を振り回した米国議会の茶番劇を多くの大手メディアが「小学生のサッカーの如く」追い駆け続けた一方、Telegraph の E-Pritchard は未解決なままで放置されている課題に焦点を当て続けているのです。

昨日の稿で紹介した中国の経済と同様に、彼は「欧州の債務危機」も執拗に糾弾するのです。



Europe's debt crisis credibility hangs on thin Irish thread
欧州の債務危機の信頼性は細いアイルランドの糸にぶら下がっている


アイルランド又は他の如何なる欧州通貨同盟の犠牲国でも生存可能な状態へ戻る道に爪を掛けられるか否かは、ECB の行動に依存している。

Telegraph_20131016_01.jpg
The Celtic Tiger has never been seriously uncompetitive within the euro, and it needs no lessons on free markets from Brussels. It places 15 on the World Bank's ease of doing business index, the best EMU state after Finland, compared to: Portugal (30), Spain (44), Italy (73), and Greece (78).

アイルランドはノーと言い始めている。 同国の最新の緊縮予算 -- 6年間で7度目 -- は、EU-IMF トロイカの焦土作戦に対する反抗の小さな行動である。

労働党のリーダーであるイーモン・グリモアは、EUのイデオロギーが彼の国を「緊縮財政タカ派達の為のある種の経済的実験」のように扱っていると、長らく不平を述べていた。 彼は打ち勝ったのだ。

来年の財政の削減及び税金により、要求された1.8%では無く、更に GDP の1.5%をダブリン政府は経済から抜き出すのである。 同国はもっと取り去る事ができると、財務大臣のマイケル・ヌーナンは今週デールに語った。 「長過ぎる犠牲は石の様な心を作る」と、1916年のイースターの WB・イェーツを引用しながら彼は語った。

疑いなく彼は意図的に両刃の詩を選んだのだ。 アイルランドの連隊がフランダースで戦っていた事によるものでは無く、1916年のイースターの蜂起にイェーツは身震いしたのである。 更に、近視眼的な将軍であるジョン・マックスウェル卿の暴虐が組合の絆を破壊したのだ。 「全てが変わった、全く変わってしまった:恐るべき美が生まれた」と詩節は続くのである。

欧州通貨同盟の委員達は彼等の唇を噛み締める必要がある。 今や彼等が曝け出すリスクを冒せない「内部的切り下げ」のお手本として、非常に長い間アイルランドを賞賛してきたのだ。 欧州通貨同盟の債務政策の信頼性は危機に瀕している。 アイルランドは、トロイカ体制から抜け出して今年に市場へ復帰する最初の被救済国にならねばならないのだ。

勿論それは、緊縮策が「機能」する事をブリュッセルに課せられた1930年代の毒性の処方箋を生き抜くアイルランドの能力が証明していると主張する事は誤謬であり、それ故スペイン、イタリア、ポルトガル、そしてギリシャは同じ偉業をやってのける事ができると主張する事は二次的な誤謬なのである。

アイルランドが回復しているという部分について、これは同国の人々が力強く参画し、GDP の19%に等しい財政の引き締めと二桁のマネー・サプライ崩壊の組み合わせによる衝撃に耐えるべく十分に高いギアへ上げた貿易を伴うウルトラ級に開放的な経済を持つことが理由なのである。

ケルトの虎は決してユーロ圏の中で深刻に競争力が弱かった事が無く、ブリュッセルから自由貿易について講義を受ける必要は無かったのだ。 ポルトガル(30位)、スペイン(44位)、イタリア(73位)、そしてギリシャ(78位)と比べ:同国は世界銀行の事業のし易さの指標で15盤目に位置し、欧州通貨同盟の中ではフィンランドに次いで良いのである。

アイルランドは3年前にEUの宗主権に屈服して以来7番目の地位から滑り落ちた事に注意して欲しい。 アイルランド貿易組合がずっと言い続けている様に、トロイカの投薬は野蛮な緊縮財政以外の何物でも無いのだ。 改革がまやかしであるだけで無く、失われた技能及び大量の失業のヒステリシス効果が今後20年間のアイルランドの将来的な成長率を削減したのでもある。 最も聡明な者達は去りつつある。 移民の純減は年間に33,000人であり、1/4は英国へ、17%はオーストラリアへ向かうのだ。

アイルランドに起きたのは、フランクフルトによって設定され、虎の経済にとっては遥かに低い金利により引き起こされた不幸な不動産バブルであり、「アイルランドにおいて何が間違っていたのか」と中央銀行総裁のパトリック・ホノハンが雄弁に分析した様に -- 吹き荒(すさ)ぶ嵐が最高潮へ達した事でその金利は実質的に更に低くなったのだ。

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アイルランドは酷いミスを犯しただけで無く、罪人以上に罪を犯したのだ。 連鎖反応から欧州を守るべく、2008年の危機の白熱の期間に欧州中央銀行は同国に5つの銀行の€600億の負債を肩代わりする事を強制したのである。 「もしもアイルランドがアイスランド式の行動を取り、(ユーロから)離れたならば、ドイツの銀行は大規模な被害を被っていたでしょう。 その決定はアイルランドにとっての災害であり、全ての負担はアイルランドの人々の上に圧し掛かったのです。 ここには道徳的な問題があります」と、マーベリック・インテリジェンスのミーガン・グリーンは語った。

銀行をきれいにする為に ESM 救済基金を動員する事を約束しながら、2012年6月のサミットでEUの指導者達はアイルランドへの特別な配慮義務を認識した。 その文言は非常に明瞭である。 更に、それ以降債権者である中核国は、この約束に尻込みしたのだ。 アイルランドはレガシー資産に対する如何なる助けも期待する事ができないと、ドイツのウォルフガング・ショイブレが今週繰り返したのである。 「アイルランドは成すべき事を実行したのであり、今や全てが良好である」と彼は語った。

全てが良好であるか否かは論議を呼ぶ問題である。 アイルランドの財政赤字は依然として GDP の7.3%なのだ。 公的債務は123%であり、引き返せない点に近い。 「債務は巨大です。 国内の成長は殆どありません。 最後には、彼等も債務再編を必要とする様になろうとしているのです」と、グリーン女史は語った。

米国の投資家フランクリン・テンプルトンは、暗黒の日々にアイルランドの債務の山の十分の一を買い上げる幸運を得、他の者達も同様である。 アイルランドの10年物の利回りは3.67%へ下落したのだ。 それ自体は賞賛されるが、債務の軌道に対する経済停滞のリスクを引き合いに出しながら、ムーディーズは依然としてアイルランド国債を「ジャンク(投資不適格)」と格付けている。

住宅価格の57%の下落の後に支えとなる資産が大幅に縮小した一方、家庭の債務は依然として GDP の200%なのである(IMF)。 180日以上滞っている住宅ローンは記録となる17%なのだ。

Telegraph_20131016_03.jpg

アイルランドが生き延びられるか否かは貿易に依存しており、この点について同国は地中海クラブの見通しについて我々に何も語ってくれない。 ポルトガル(39%)、スペイン(32%)、イタリア(30%)、そしてギリシャ(27%)と比較すると:アイルランドの商品及びサービスの輸出は GDP の108%なのである。

言い換えるならば、アイルランドにとり貿易を通じて生存可能な状態へ戻る道に爪を掛けるのは3倍も容易なのであるが、そうであったとしても、それは簡単ではなかったのだ。 「特許の崖」-- バイアグラ及びリピトールがジェネリックとなる様な -- は、昨年に輸出を17%減らしたのである。 更に、少なくとも同国は、GDP の2.3%の経常黒字を持っている。 彼等の20年前の大いなるギャンブルは完済されたのだ。 IT、製薬、そして金融サービスのニッチな産業は全て臨界質量に達したのである。

疑い無く、スペインの大きなポケットはこの偉業を真似る事が可能である。 バスクの国が頭に浮かぶ。 しかし、スペインは登らねばならないもっと大きな丘を抱えている。 同国は5年前の GDP の10%の赤字を今年の1.3%の黒字へ転換したのだが、主として国内需要を粉砕する事によるものであった。 輸出の急増は先細りしたのだ。

スペインの単位労働コスト(ULC)の利得は大量の失業によって引き起こされた生産性の錯覚であると IMF が述べている。 厳しい現実は、スペインの純粋な国際的投資ポジションが依然として GDP のマイナス90%であり、26%の失業率を伴う不況の中においてさえ、この不均衡をカバーする為に同国が依然として非常に多くを輸入しているという事なのである。

石碑には何も書かれていない。 アイルランド又は他の如何なる欧州通貨同盟の犠牲国でも生存可能な状態へ戻る道に爪を掛けられるか否かは、ECB の行動に依存している。 もしもフランクフルトが積極的に(通貨を)再膨張させるならば、疑いなくアイルランドはそれを達成し、理想的な世界において恐らくスペインも同様である。 もしも彼等が引き続き債務デフレが軌道上を進むままにするのであれば、お手本(とされている同国)でさえも不吉な運命に向かうのだ。



昨日のアクシデントで打撲傷を負った尻(右側の臀筋)が現在も痛むのです。 しかし次の台風が接近しつつあるという事なので、痛む尻を擦りながら明日は伸び始めた芝を少し刈り込むのです。

米国議会で暫定的な債務上限引き上げ措置が可決された事を受け、S&P500 は史上最高値を更新した様ですが、警戒を怠らぬ人々は次の嵐が来る前にポジションを刈り込み始めるかもしれません。


次回に続く...



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